絵本によって絵が全く違う堀内誠一さん、お好きだったというマーシャ・ブラウンの影響があるのかと思って、堀内さん関連の本を読み始めたら、その活躍の多才なことに驚かされました。
それと同時に、堀内さんの仕事は、神業的に早かったこと、またその人柄も魅力的であったこと、知識量も多く堀内大学などとも言われていたことを知りました。
14歳から仕事を始めて、絵本や雑誌の仕事だけでなく旅行をするというのも生き方の一つであったこともわかりました。
この本のタイトルである「旅と絵本とデザインと」のどれを切り離しても堀内誠一ではなく、そのすべてが堀内誠一の生き方であったのだと思います。
堀内さんの本を読んでいるだけでも魅力的な人物であったことが伝わってきますが、実際に同じ時代を生きた方々の証言から、堀内誠一さんが忘れ得ぬ人であったことがわかります。
日本の雑誌や絵本の草創期に、彗星のように現れて駆け抜けるように去った伝説の人、それが堀内誠一さんなんだなあと思います。
この本は、堀内誠一さんを知る上でのよき入門書になると思いました。