世界にクリスマスにまつわるお話はどれだけあるのでしょう。
雪の季節、サンタクロースのキヤラクター、子供が登場、暖かい灯り、などなど、お話が生まれる素地がたくさんあるから、作り手側の創造力をかきたてるにちがいない。
イギリスで生まれたこの絵本は2004年に出ているが、日本では翌2005年にもう刊行されているから出版社としては力が入った一冊だったのだろう。
なんといっても、このタイトルが素敵だ。
「12月通り25番地」、もちろん12月25日にひっかけてつけられたタイトルだが、なんだかそこに夢があるように誰もが思う。
一体、そこに何があるの?
主人公はひとりの女の子。赤いコートを着て、まるで赤ずきんちゃんのよう。
この子にはどうしても贈り物をしたい相手がいるのですが、その子にぴったりの贈り物が見つからないのです。
クリスマス・イブの夜、女の子は贈り物を探しに町へと出ます。
そこで迷い込んだのがとってもさびしい「12月通り」。
ところが、一軒灯りのついているお店があって、のぞくとたくさんのおもちゃが並んでいます。
そこは「25番地」にあるお店。
女の子はそこで買い物をしようとしますが、先客がいて、おもちゃを片っ端から袋に詰めています。
この絵本を見ると、その先客がもしかしてあの人かとわかります。
それに、女の子が探していた贈り物をくれたのですから、その人はやっぱり…!!
ウエイン・アンダースンの幻想的な絵が素敵です。