「あたしたち、ともだちだからいつもいっしょだよ」と、ゾウガメの背中でおしゃべりするヒワと、「いつかじぶんをおいていなくなってしまうのなら、ともだちになんてならないほうがいい」と、ヒワが煩わしいゾウガメ。
寿命が長く百年以上生きるゾウガメは、多くの別れを経験してきたのでしょう。
ある日ヒワは、遠い国にゾウという生き物がいると聞き、ゾウガメの仲間かもしれないと、探しにいきます。自分がいなくなっても、ゾウガメが寂しくないように…。
ヒワがなかなか帰ってこず、いてもたってもいられないゾウガメ。
やっとヒワと再会できたゾウガメは、その存在がかけがえのないものであることに気づきます。
ヒワの健気さも、寂しさに心を閉ざそうとするゾウガメの気持ちも、どちらもわかるような気がして、切なくて、胸が締め付けられます。
そしてヒワに、「これからもいっしょにいよう。いつかわかれがあるとしても、ぼくがひゃくねん、わすれずにいるから。」というゾウガメの心の声に、目頭が熱くなります。
大切な人のことを想いながら、ゆっくりじっくり、時間をかけて読みたい絵本です。
そして、いつか子どもに読んであげたいなぁと思える絵本です。
ミロコマチコさんのダイナミックな絵がまた素敵☆