図書館で背表紙の題名を見た時に、「科学絵本かな? でも、谷川俊太郎さんが文?」と、なんか科学絵本なら斬新そうな気がして手にとり、そして表紙の絵を見て、ぞっとしました。
なんとなく怖いものみたさみたいなものがあってパラパラと読んでみると、どよよーんという気持ちになり、でも、これは子供に見せなくてはいけないという使命感みたいな物を感じて借りて帰ってきました。そして、当の本人は、案の定、ちょっとひきつった感じの顔で本を眺めていました。
食べるという題名の通り、“今、食べられることの意味”を考えさせられる本です。そして、世界には飢えた子供達、そして飢えが故に殺戮までおきている現状を、谷川さんの歯に衣を着せない表現と井上洋介さんのグロテスクな絵でストレートに読者に事実を突きつけてきます。
小さなお子さんには向かないかもしれません。でも、小学校中学年になったら、この本を読んで、一考してみるのも大切なことかもしれません。