この作品の大まかなら筋については、ナビの紹介欄で小説家の堀井拓馬さんほか、ナビの皆さんの感想を読めばよくわかります。
私の場合……、実は初めに何の情報もなく、ふと手にした本だったので、
読んでいる間中ずっと、
「なぜ、作者がこんなタイトルを付けたの?」とずっとっ気になっていました。なので、読み終わってすぐに調べました。
この作品を作るにあたって、作者のきっかけになったのは1つの歌だったそうです。
その歌こそ、ナタリー・マーチャントの「Wonder(ワンダー)」。
実際、その歌を聞いてみました。
英語は得意でないので、邦訳も読みました。
(一番初めの出だしの部分は本の中でも紹介されています)
歌詞の邦訳を読むと、今度はなぜナタリー・マーチャントがこんな歌を作ったのかも知りたくなりました。
彼女は自分がボランティアでハンディキャップを追った子どもたちの施設で働いた経験から、この歌を作ったのだそうです。
それから、「Wonder(ワンダー)」という単語にはどんな意味があるのか調べました。
辞書によって微妙に順番が違いますが、
“驚異、驚嘆、驚き、驚嘆すべきもの、(自然界などの)奇観、奇跡、驚くべきこと”
ですって。
あぁ!まさに、この作品はこの「ワンダー」という言葉1つにすべてが描かれていたんですね。
この作品では主人公のオーガスト・ブルマン(オギー)以外にも、魅力的な人たちがたくさん登場します。
そして、それぞれがいろいろ苦しんだり悩んだり、自分の背景にあるものと戦ったりしています。
わたしたち読者は、それぞれ自分に一番近いと感じる人になって、オギーと向かい合うのではないでしょうか?
ビーチャー学園のトゥシュマン先生も、格言が大好き(?)な国語のブラウン先生も素敵でした。
パパもママも、お姉ちゃんのオリヴィア(ヴィア)も!
オーガーストがビーチャー学園(中学)で出会った友だち達、ジャック・ウィルやサマー、エイモス、ヘンリーにマイルズ。本当にみんなすごかった。
中でも私が一番心に残った人物は、ヴィアの小さいころからの友人『ミランダ』でした。
全部で421ページありますが、読みだしたら止まらないこと請け合いです。
たくさんの中学生・高校生の子どもたちに手に取ってもらいたいです。
ちょっとジャンルは違いますが、この本が好きな人には、
ベン・マイケルセンの「ピーティ(千葉茂樹:訳 鈴木出版)」も読んでみてください。おススメです!