とても、とても好感が持てる絵本です。
私にとって本は、物心付いたときから、一番の玩具で、友達で、世界で、一緒に人生を歩いてくれた片割れですから。
壊れてしまった一冊の本。
本屋には、たくさんの本が並んでいるけれど、
この本をなおしたいの。
ソフィーは、ルリユールの店を覗きます。
店には、「ルリユールおじさん」がいました。
なんでもかんでも、捨ててしまう今の世の中。
けれど、どうしても捨てられない、思い入れのあるものたちもたくさんあります。
愛された本は、それでなくてはなりません。
決して、他の物では、かわりにはならないのです。
ソフィーの気持ち、よく分かります。
ですから、本の好きな方は、ソフィーになりかわり、
ルリユールおじさんの仕事を、魔法のように思うのではないでしょうか?
あの仕上がった本の、なんと見事な事…!
「ルリユール」職人としての、彼の誇りも垣間見えます。
地味すぎるほど地味な話ですが、本好きにはこたえられません。
いせひでこさん、よくぞこの絵本を世に出してくださいました!