牛飼いの牛は、人の命を支えるために売られていくのです。
そう考えると、ピュアな物語に切なさが加わって、ゆうなのやるせない気持ちと、納得させる宿命感を想像してしまいました。
盲目で産まれた子牛に、盲目のミュージシャン、スティービー・ワンダーの名前を付けて育てた家族は、懸命にその牛が育つことを願ったのでしょう。
売られていく牛に、普通は名前を付けないということも解るだけに、スティービーへの愛情はひとしおだったに違いありません。
決して食肉のためだったとは思わないのですが、出荷の日のスティービーとゆうなの姿は想像を越えてしまいました。
専業農家の堀米さんが語る実体験絵本だけに、とても重厚です。