「どうして私はスカートじゃないの?」今なら納得もできるけど、幼少期の私は毎日ズボンをはいて生活していた。保育所という性質もあるし、なんせ母は服にも化粧にも欲のない人だったこともある。農家の子供だったからかもしれないが、とにかくスカートをはいて通所している子供が羨ましかった。くるくると模様の変わる、ウサギのワンピース。絵を描くことが大好きだった私は夢中になった。ワンピースを着てシロツメクサの沢山咲いてる野原で昼寝がしたいなぁ〜初夏の風を切って走ったらどんな柄かなぁ〜そんな私に保育所の先生が真っ白いワンピースを着たウサギの絵を何枚もコピーしてくれ、沢山の模様を描いて楽しんだ。大人になり、子供達と久しぶりにこの本を手に取り、ふとそんな遊びを思い出した。そして母が真っ白い布で、夏用のワンピースを仕立ててくれたこと。私は沢山の愛情をもらってきた。