児童書なので、小学生向きかなと思って読み始めましたが、幼稚園の年長さんのお話です。
息子も年長組で5歳と、主人公のあいちゃんと同年齢なので、タイムリーな本だと思いました。
あいちゃんは新しい町に引っ越してから、不思議な男の子と出会うようになりました。仲良しのてっちゃんによく似ていますが、ちょっと違うのです。
13章に分かれているので、1日1章読むのにちょうど良い分量です。しかも、章ごとに遠足やクリスマスなど園行事が入っているので、子どもも感情移入しやすいのです。
てっちゃんのおばあちゃんが説明してくれた「山にも、山のこころがあるって、むかしの人はかんがえていたのね。それが やまびこさま」というのが、わかりやすくて心に残った言葉です。
この話も開発と無縁でなく、変わっていく街の風景に心が痛みました。風景は変わっていっても心の中の思い出は消えません。大人が読むと、自分の5歳だった頃を思い出すのではないかと思います。