なんとなく昔から気にはなっていて、横目でちらちら見ながらも素通りしていた本です。お母さんになってから、子どもの本の専門店で再会し、どうしようかと散々迷った挙句、「私のために」購入しました。「どうしても手放せなかった」というのが理由です。
読んでみると、なんとも不思議な雰囲気の本でした。
そこにあるのは、他人には理解できないけれど自分にとっては宝物であるものたちの存在。ぼろぼろになってきたぬいぐるみとかミシン糸とかビーズとか、私の小さいときにもきっとあったはずのそんなそのものたちが、メリーのトランクの中に詰まっているのです。
その中でもビルは「もちろん、おいていくわけにはいかない」大事な存在ですから、置いていかれてしまった時には、もう当然何としてでもメリーを追いかけなくてはならないわけです。
私があまりにも思い入れていたためか、また、この本を読むには他愛もない宝物との親密な関係が終わってしまっていたからか、子ども達の反応は今ひとつでしたが、きっと小さい子には、メリーとビルのような親密な関係がすっと理解できるはず。2歳〜3歳くらいの子どもには是非読んであげて欲しい一冊です。
表紙の黄色もインパクトがあって大好きです。