大好きなあきやま ただしさんの作品なので読んでみました。
いつもと若干テイストの違う絵とお話なのですが、正直言って、あきやまさんの凄みに、また感銘を受けてしまいました。
シリーズ化していないせいか知らない作品だったのですが、文句なしに良い。
久しぶりに、一読しただけでオススメしたくなった作品で、必読書としてあげても良い位の出来栄えだと思います。
主人公は、ケンという野良犬。
あしながというのは、ケンの町にやって来た犬のあだ名なのですが、スマートで美しいので、いろいろな噂をたてられます。
噂というのは、どんどん歪曲していくもの。
もちろん、火のないところに噂は立たないから、何かしらの原因はあるのですが、真実を確かめないのに信じてしまうことは、決してしてはいけないこと。
昔から言われていることを、この作品はやさしく諭してくれます。
そして、真実を確かめる勇気を持つことの大切さも、教えてくれます。
あしながは、こうした噂を全く気にしない美しい内面を持っているからこそ、外見も美しいという象徴のような描かれ方をしているような気もしました。
文章量は多いですが、思わず登場人物に感情移入してしまいそうな作品なので、決して飽きることなく、読み聞かせ出来ると思います。
3〜4歳くらいからのお子さんに、是非読み聞かせして欲しい一冊です。