レオ・レオニの本には、自分一人でなにかを始めた動物や他の仲間とちょっと違う動物がよく登場します。そんな主人公は、始めは、仲間にばかにされていたり、奇異な目で見られていたりしても、仲間達を感心させるようなことを成し遂げて、仲間に認められることが多いように思います。
このコーネリアスも、同じように、立ってあるくというワニにとっては偉業を成し遂げるわけですが、仲間には認めてもらえません。仲間のワニたちの視線のなんと冷たいこと。そんな仲間に腹をたてて、出て行ってしまう所が、今までの作品とはちょっと違うのではないでしょうか。そし、もっとすごい技を獲得して仲間の所に戻ります。このあたり、そのまま旅を続けるのかと思っていたので、ちょっと意外でした。
そして、その技を仲間の前で披露するのですが・・・
コーネリアスは本当は仲間と一緒に暮らしたかったのでしょうか?自分のまねをしだした、見ようによっては滑稽にも愚かにも見える仲間と一緒に。なんだか、疑問の残るお話でした。何度読んでも、疑問は消えません。読む時の自分の心理状態によっても、印象が変わってきます。
子供は、ワニのおかしな姿に満足していましたが。