ベイリーさんの車にはねられた男。記憶をなくしてしまっているその男は、ベイリーさんの農場で暮らすことになります。
この男の人は一体何者だったのか?
そういう考える楽しみが読後に待っています。
話自体で楽しめるのはもちろんですが、読んだ後にいろいろ想像しながらお話を振り返るのもまた楽しいものですよね。
体温計の水銀が全く上がらないこと。
スープを冷まそうとした息にやけに寒く感じること。
野うさぎと慣れ親しんでいること。
それから、男の周りだけ季節が止まってしまうこと。
彼は一体何者なのでしょうか。
森の精だったのかな?などと考えたりもしました。
1年中、緑が溢れる森で動物たちと仲良く過ごしている姿が浮かんできたのです。
答えはでてきません。
だからこそ、いつまでも心に残る作品になるのではないかと思いました。