ささいなことで娘に怒ってしまった夜。「ごめんね」の気持ちをこめて、娘の枕元にこの絵本を置いておきました。翌朝、絵本を見つけた娘が、うれしそうに布団の中にもってきて、いっしょに読みました。読み終わったあと、なっちゃんの言葉を借りて、「ママも、ちょっとだけ抱っこしてもいいですか?」と聞くと、「いっぱいだっこしてもいいよ!」と娘。そして、「いいにおい。ママのにおい。」と言って、私の胸に顔をくっつけてきました。私は、今の時間がずっと続けばいいのにな、と思いながら、“ちょっとだけ”でなく、いっぱい、いっぱい抱きしめてあげました。
子どもは決して多くのこをを親に求めてはいないんですね。子どもなりに、どれだけ日々いろんなことを我慢しながら、いろんな感情を抱えて生きているのかな、と改めて考えさせられました。なっちゃんのうれしそうな顔も、さみしそうな顔も、誇らしげな顔も、子どもそのものの表情で、まるでわが子を見ているようでした。きっとほとんどのお母さんがそう感じることだろうと思います。私たち母親は、なっちゃんの姿に我が子を重ね、子どももまたなっちゃんの中に自分自身を見出すのでしょうね。だからこそ、こんなにも多くの人の心に感動を呼ぶのだろうな、と思いました。おにいちゃん、おねえちゃんになった子も、末っ子や一人っ子もみんな、お母さんに“たっぷり”甘えさせてあげたいですね。