きむらさんの『あらしのよるに』に対する思い入れはとても強いことがわかります。
シリーズ終了後、サイドストーリーや別版が多く出されています。
この絵本はメイとガブの回顧によって構成されています。
あの時そう思ったのか。
読んでいる自分には復習でもあり、新たに加わったエピソードで物語イメージの膨張でもあり、楽しめる一冊です。
『あらしのよるに』は、ヤギとオオカミが一夜を一緒に過ごしたことで、友情を深めでいき、ついには仲間たちから離れ二人で生きていくことになる壮大なドラマです。
絵本では描ききれない多くのことがあることは想像できるのですが、回顧するにはまだメイもガブも早いのではないかと思います。
ちょっとだけ、シリーズを読み終えた人にしかわからない良さと、まとまりすぎている物足りなさを覚えました。