「ドラゴンマシーン」のコンビの作品です。
独特な幻想的な世界観を醸し出す作品だと言う記憶から、このクリスマスをテーマとした作品を読んでみました。
表紙絵のおもちゃ屋のウィンドウをのぞく赤いコートの女の子の後姿と、しんしんと静かに降り積もる雪に、マッチ売りの少女を思い出しました。
さて、主人公の女の子は、どうしても贈り物をしたい相手のために特別なプレゼントを何週間も探していたのです。
今日はクリスマス・イブだというのに、まだ見つからず人ごみにもまれ、押し流され、大通りから弾き出され、気づけば12月通りを歩いています。
クリスマスのない冬のようなこの通りを歩き、もうあきらめて帰ろうかと思った時、きらりと光る窓。
行ってみるとそこは25番地。
不思議な店がありました。
狭いドアをそっと開け、・・・。
女の子がやっと見つけた特別なプレゼントどころか店中のおもちゃを買い占めた先客の買い物の勢いの良さにドキドキ。
そして、せかせかと動き回るたくさんの店員たちに、読んでいてハラハラさせらつつも、もしや?と思ったら、・・・。
気温の下がっていく中、降り止まぬ冷たい雪の中、女の子が手にした“ささやかな願い”の温かさのコントラストが感動を呼びます。
プレゼントをする側の想いの深さ尊さがしみこんだお話でした。