浦島太郎。これも日本昔話の定番中の定番です。しかしながら、やはり、記憶の中から話の中の色々な詳細が抜け落ちていることが判明しました。中でも、四方の壁に大きな窓がある部屋の設定なんて初めて知ったような気がします。でも、最後の窓が故郷の海というのは、なかなか望郷の思いを起こさせるのにはインパクトがあるなと感心しかりでした。
よく考えてみると、この話は不思議ですよね。中を見なければ、また竜宮城に戻ってこれるかもしれない玉手箱なんて、じゃあ、どうやって戻ってこれるの?と疑問が残ります。そして、その後の浦島太郎はどうしたんだろうと。他人ながらとても心配です。
挿絵がまるで少女漫画のような感じがしたので、思わず、たなか鮎子さんのことを調べてしまいました。とても日本的な絵より西洋風の作品が多い方だったんですね。思わず納得してしまいました。でも、配色がとても綺麗な絵で、竜宮城の華やかさが伝わってきました。
巻末の『てんぐのかくれみの』の話は絵も話と合った感じでとても気に入りました。やはり2つの話が読めるのは得した気分ですね。