整備された(されすぎた)都市「No.6」のうち、IQが高い者と家族しか住めない「クロノス」。そこにある日、逃亡者「ネズミ」がまぎれこみます。しかし「ネズミ」が子供だからかわいそう、とクロノスにすむ少年「シオン」が「ネズミ」を助けます。そのせいで、クロノスを追われ、まだNo.6にはいるもののそこの最底辺の街に住むことになったシオンと母カラン。そこへ、不思議な早く老いる病気の人が出てきます。無実の罪で殺されそうになるシオンを助けたのはネズミ。カランを置いて、街を逃げ出し西ブロックへいく紫苑。ネズミの家に住ませてもらい、寒すぎるので毛布代わりに犬を貸すイヌカシにも出会い、イヌカシに犬洗いの仕事をもらい、地に足をつけて生きていくことになる。イヌカシも紫苑の送り迎えに犬をつけてくれたり、少し汚れてきていた力河も紫苑を心配してネズミに文句を言ってくれたり、紫苑の優しさでみんなが変わっていきます。親友の沙布がなぜか逮捕され矯正施設にこっそりとらわれますが、3作目ではそこから彼女を助け出そうとする紫苑。さらにネズミも紫苑を心配して先回りして自分の全財産を投げ出そうとする。
奇麗事で済まないことがあると教えてくれる本ですが、それでも、奇麗事を信じてそのために行動すれば何かが変わるんじゃないかと思わせてくれる本でもあります。子供向けで、主人公も子供なのですが、大人にも非常に面白い本です。これからが目が離せません。読んで損なし!