平山さんと聞いただけで、てに取りました。条件反射的にです。平山さんの他の作品を拝見しました。それで、とても素晴らしかったのでこの”やさい”も相当期待しました。期待どうりでした。野菜に興味が持てる1冊だと思います。平山さんの絵からは全ての野菜が“おいしいよ。食べてみて。おいしいよ。触ってみて。”と言っているようでした。もちろん野菜は畑で採れるものです。ですが、実際野菜を見て畑を連想することはあまりないように思います。野菜イコール食材です。ご飯何にしようか。キャベツとトマトでロールキャベツ作ろうかな。という発想の方が先に来ると思います。でも、平山さんの絵本だとまず畑があって店先の野菜という構図です。その構図がとても気に入りました。そして、そのことゆえ野菜に対する感謝の気持ちをとても自然に感じられます。そして、私のお気に入りは何と言っても中表紙です。大根の葉っぱの後ろにお百姓さん。野菜は本当に彼らあってこそ食べられると思うのです。特に夏の野菜は草ぬきとの格闘です。食物は種をまいたり、苗を植えたりするだけではだめで人の手が必要です。そういう意味で中表紙にこの絵を載せているのが一番好きです。感謝して野菜を食べようという気持ちになりました。娘は焼き芋のシーンに一番反応しました。やっぱり美味しいものはにおいがしなくても分かるのかもしれません。