主人公の「はるくん」は、シングルファーザーのお父さんと二人で暮らしてる。
お帰りの近くなった夕暮れの保育園。はるくんの声が響きます。「おとうさーん、きいてきいて!!」
「今日ね、僕ね、虫をつかまえたんだー」「きいてきいて、お庭に大きな鳥が来たんだよ」言いたいことが、聴いてほしいことがいーっぱいある「はるくん」でも、お父さんは、お仕事が終わってもおうちですることがいっぱいあって忙しい。「洗濯、ご飯のしたく、連絡帳・・」お料理をしているお父さんの足にかじりついて「ねえきいてえ」「一緒に御本読もうよ」「ねえ」「きいてえ」
でも、お父さんは忙しくてなかなか遊んでくれません。なおもお父さんに訴える「はるくん」にお父さんは言います。「「お父さん、後にしてもらいたいんだけどなあ」それを聞いた「はるくん」はとうとう怒ってしまいます。「もう知ーらない」リビングのソファに毛布を持ってきて、お屋根を作って「僕の部屋の完成だ」と叫んで毛布をかぶり、「もうお父さんには何にも話してあげない」
でも・・・・いつもならすぐにあやまってくるはずのおとうさんはなかなかやってこない。「はるくん」はちょっと心配になってきます。「このままお父さんが来なかったらどうしよう」と少しこわくなってくる。そのうち夢の中に入っていた「はるくん」にお父さんの声がしました。
「おーい、カレーライスできたぞ」そして美味しそうな香りがぷーんと。「わーい、おとうさん!!」はるくんはおとうさんに思いっきり抱きつきました。二人でお父さんの作ったカレーを食べながらはるくんは言います「ねえ、すぐに仲直りできるって不思議だね?」それを聞いたお父さんの言葉はとっても温かい。「美味いもん食べて一緒に笑ったら、仲直りってことだ」そのあとはるくんはこう言いました。
「ねえおとうさん、きいて。あのね、ぼくね・・・」
この絵本の帯に書かれた言葉はこうです。「子育ては「期間限定」「ねえ聞いて」を言ってくれる期間は本当に短い。仕事に家事に本当に忙しいとは思うけど、子供の目線にふとおりてみよう・」