作者の佐野さんが先日お亡くなりになり、「そういえば、『100万回生きたねこ』って本があったな」と思い出し、小学1年生の娘に読み聞かせました。
昔読んだ事があるのですが、それほど強い印象を受けずにいたので、心構えをせずに読んでしまったのが失敗でした。最後は涙で苦しく、満足に読み聞かせをする事ができませんでした。
上手く言葉では言い表せないほど、心の奥深くを揺さぶられました。
大人になり、家庭を持ち、愛する人、守りたい人、守るべき人ができた今、この本を再び手にしたことで、以前は感じられなかった深い感動を受けています。
愛されるだけでは満たされない人生、自分を愛する以上に愛する人、守るべき人が現れてこそ、生きる意味が生まれ、その人生が満たされる。その人生は永遠のものであってほしいと願いますが、死を迎えることで実は、その生が尊いものになるのではないか…そんな事を感じました。
読み聞かせが終わった後、娘は「悲しいお話だね。なんで、100万回も生き返ったのに、最後は生き返らなかったの?かわいそう」とストレートに聞いてきました。今はわからないかもしれません。でも、彼女が将来家庭を持ち、愛する人、守るべき人ができた時、再びこの本を手にしてほしいと思います。そして、私が今感じているこの感動を彼女も味わってほしいと思います。
是非、多くの方に読んで頂きたい、心からそう思える一冊です。
最後に、この名作をこの世に出してくださった佐野さんに感謝の気持ちでいっぱいです。