新感覚のゴッホ伝
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投稿日:2011/01/25 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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この本を見たとき、最初にイメージしたのはいせひでこさんの『にいさん』でした。
この絵本も画家ゴッホの伝記であり、ゴッホと弟テオの兄弟愛を基にゴッホの一生を描いているのですが、いせひでこさんの絵とオクタビア・モナコさんの絵ではその描き方にとても象徴性があるのです。
いせさんはゴッホの画風、色彩を取り入れることでゴッホを表現しています。
モナコさんはゴッホの絵そのものを中に取り込みながら、独自の画風でゴッホを描いています。
いかにも美術の絵本的で西洋絵画のような感覚。
とても新鮮に感じられて、思わず「これっていいかも」とつぶやいてしまいました。
「炎の人」であり「ひまわり」に象徴される色彩の人であるゴッホを、あえて違った画風色調で、一歩離れて描いているのです。
ゴッホ好きには少し違和感があるかもしれませんが、画家としてのゴッホよりも人間としてのゴッホを感じることができて良かったと思います。
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結局、フーさんって何者?
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投稿日:2011/01/26 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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上の子は「まぁ、面白かったよ」といいました。でも、内容的には中学生より、小学校中学年から高学年くらいにお薦めです。
中学生だと、もう少しいろいろなことに対して物足りなさを感じてしまうかも。
それにしても、文章も、感覚も、描かれている世界も、ちょっと今までなく、不思議な感じでした。
日本の童話や、イギリスやアメリカなどの児童向けの本では、主人公が「何者なのか」最初の段階で、はっきり分かる場合が多く、主人公の一人称だったりすることが多いですが、
この「フーさん」、私には最初から最後まで、何者かがよくわかりませんでした。結局ぺージを閉じるまで、「フーさんて、何者?」と、思いながら読みました。
何となく、つかめたのは、フーさんって、お化けみたいなもの」「もしはそれに似た妖精みたいな存在」「たぶん、生粋の人間ではない」ということでした。
後書きを読むと、この「フーさん」原作のフィンランドでは、アニメになったりと、大変子どもたちに人気のあるキャラクターだそうです。
毎回毎回、変なことがおこったり、ちょっと風変わりな子どもたちが登場したりと、子どもたちの好奇心を刺激するのかもしれません。
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『じごくのそうべえ』の原型
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投稿日:2011/01/24 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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タイトルと絵を見て「?」と思ったのですが、お盆に由来するお話と知って得心しました。
『じごくのそうべえ』はお盆のお話だったのですね。
メンバー構成についても、「そうべえ」シリーズが3人だったり、4人だったりする由来が、『じごくへいった三人』のアレンジであることもわかりました。
『…そうべえ』がエンターテイメントであるのに対して、『…三人』は破天荒でありながら、由来話としての落ち着きを見せています。
とはいえ、地獄の話であり、軽業師が主人公ですから描き方は迫力満点。(ひょっとしたら、田島征彦さんの上を行っているかも知れません)
おもしろおかしくではなく、迫力を感じる作品かも知れません。
比較すると多少堅さはあるかも知れませんが、語りが標準語なので話しやすい。
読んで得した感が残りました。
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あまり、朝読には勧めません。
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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中3の上の子の朝読用に図書館で借りてきました。
前にボランティア仲間から、「中学生向けのいい話だよ」と聞いていたからです。
うちの子も、「まぁまぁだった」と、言ってました。が、私は中高生向け(主人公の千佐は高1)の話にしてはちょっと重かったかな〜。
少なくとも、朝読で読んで、うちの子は1日暗くならなかったのかしら?と、思ってしまいました。
同世代の子が読んだら、等身大で伝わるものがあるのでしょうか?
文章も悪くないし、惹きつけられるものもありました。佐藤多佳子さんの作品自体は今まで読んだものは結構好みだけど、どうも本作品は、両手をあげて「いいよ〜!」とは、言えませんでした。
もう少し、せめてラストが、展望の明るいものにしてほしかったな〜。
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妖魔大帝の息子『キバ』がいい感じです。
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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私も上の子も、「ねこまた妖怪伝」の1巻より、こちらの2巻の方が「面白い」と感じました。
2巻で登場する妖魔大帝の息子のキバ(見た目は狼)と、ねこまたのミィとのやり取りが、テンポ良く、楽しく読めました。
また、2巻でのミィは、尻尾は二つあるものの、揚力は使えず、飼い主のまなかちゃんとも、普通におしゃべりができなくなってしまった分、心のやり取りが見えて、逆に好感が持てました。
巻が進むほど脂が乗って、面白くなっていくシリーズかもしれませんね!
小学校低学年くらいのお子さんに特にお薦めです。
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ねこまたのミィは可愛いです。
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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「ねこは可愛かった…。可愛かったけど…」と、いい淀んだうちの上の子。私も読みましたが、中学生が楽しく読む内容ではなかったようです。
読んだ感触では絵本から読みもの・童話などに入ったばかりくらいの小学校低学年くらいのお子さんになら、内容的にちょうどいいレベルかな?と、思います。
最近、妖怪もののお話が少し前に比べて増えましたね〜。これだけ子どもたちが「読む需要」があるのでしょうか?
イラストがとてもかわいらしい絵なので、妖怪ものが好きで、かわいらしい絵も好きな小学校低学年くらいのお子さんにお薦めです。
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斉藤洋さん×高畠純さん、ナンセンス
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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やっぱり側にいたので、上の子と読みました。
斉藤洋さん×高畠純さんのコラボ絵本です。
このお二人よく絵本や児童書で組まれるので、相性もいいんでしょうね〜。
この絵本にしても、すっごい『ナンセンス絵本』なのに、お互いのスパイスが混ざり合って、滅茶苦茶ヘンにインパクトのある作品になってます。
にょきのによきの木にできた『木の実』が、小判に見えたのは私だけでしょうか?
3,4歳くらいから小学校高学年くらいまで意外とお薦めできそう。ナンセンスが好きな方には特にお薦めです!!
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「ルラルさんの深イイ話だったよ」
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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中3の娘が、私より先にこの絵本を読み終えていったのが、
「ルラルさんの深イイ話だったよ」でした。
確かにとても深いお話でした。
そして、他のナビの方も書いていますが、ルラルさんがいつになく語ってくれています。
ルラルさんシリーズは今までどちらかというと、小さなお子さん向けに勧めてきましたが、この話に限っては、意外とお父さん・お母さん世代の人にお薦めしたいです。
というのは、いつもとルラルさんの視点が違って見えたからです。
子どもを産んで、育てて、初めて自分の親への感謝の気持ちとか、不意に湧いてくることありませんか?
この絵本を読んでいて、改めて、そんな気持ちが湧いてきました。
明るくにぎやかな動物たちと過ごすルラルさん・シリーズを、
ご自分のお子さんと楽しみながら、お父さん・お母さんの心にも暖かいものがもらえる。
今回はそんな絵本だったような気がします。
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オチのような微妙なダジャレがポイント
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投稿日:2011/01/22 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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上の子と、「なんじゃこれ〜。ありえな〜い」と言いながら見ました。
ありえないことがいっぱい起こりすぎで、結構に笑えます。
川端さんらではの不思議な味わいと、オチのような微妙なダジャレがポイント高いです。
これはね〜、どちらかというと、1人読みにお薦めします。
読み聞かせとかで使うと、理解できること出来ないこの差が大きすぎるかも〜。
意外と内容をつかむのが難しそうなので、小学校中学年から高学年くらいのお子さんにいかがでしょうか?
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いやがらせはもうかりまっせ!
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投稿日:2011/01/21 |
たれ耳ウサギさん 40代・ママ・群馬県 女の子20歳、女の子17歳、女の子16歳
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いじわるでリッチ(お金持ち)ないたちイジワリッチは、
悪だくみ・詐欺、たかり等にはげんでとんでもなくお金持ちに
なりました。
ある時、家の自慢をしたくてパーティーを開き、皆に招待状を
送ります。
ところがパーティーには誰も来ません。
「おれさまは きみらを しょうたいしてやります。
おえらいおれさまに しつれいのないよう ちこくはしないこと」
招待状の文面がしょうもなく本音なので、世の中には内心こう思い
ながらパーティーを開いている人いるんじゃないかな、なんて心に
浮かび、かえって微笑ましく感じてしまいました。
(私ってあまのじゃく?)
誰も来なくてちょっと傷つき、わけを聞きに回ってしまうなんて、
悪党にはなりきれませんね。
しかも反省して、いい人になっちゃうなんてかわいいじゃないですか。
表の見返しにビフォアーの広告が載っています。
「ににんまえのねだんで いちにんまえ」 イタッチバーガー
裏の見返しにはアフターの広告。
「おかねいりの ブタのちょきんばこを ただで さしあげます」
イタッチぎんこう
等など どの広告もなかなかいけてますよ!
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白血病の少年・オスカルとマミーローズ
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投稿日:2011/01/19 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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我が家で読んだのは、上の子だけでしたが、今度下の子にも薦めたいと思っています。
この物語はフランスの劇作家が書いた戯曲だったそうです。フランスでは2002年にこの話が発表され、記録的なロングランとなったそうです。
物語の主人公・オスカルは白血病患者の10歳の少年です。
ページを捲ると冒頭から、最後の頼みの骨髄移植もいい結果が出ず、オスカルは「死」を宣告されてしまいます。
本来なら、ただ悲しいだけのお話になってしまいそうなテーマですが、マミーローズ(入院中の子どもたちの世話をする人)の勧めもあり、オスカルは神様あてに手紙を書いていきます。
「死」を目前にしていても、マミーローズの助けもあり、オスカルはびっくりするくらい前向きで、毎日を楽しく過ごしていきます。
こういう話を読むと、病人だからって、いつも暗く、影でも背負っているように生きていなくていいんだ。
自分の好きなように前向きに生きていていいんだ。って、感じます。
また、面白かったので、邦訳をされた阪田由美子さんの後書きをちょっと紹介しますね。
阪田さんは、最初この作品の原書を見た時、
タイトルが直訳で「オスカルとばらの貴婦人」となっていて、
《これって、もしかして「ベルばら」…?》と思ってしまったそうです。
私も子どもの頃「ベルばら」ハマりましたので、「ブブッ」と、笑ってしまいました。
後書きに、こんなユーモア(?)が書ける阪田さんが邦訳をされているので、私たち日本人に届きやすい、素敵な翻訳だと、私は思います!
1ページ1ページの字数も少なく、主人公も10歳の少年ということで、
出来たら小学校高学年くらいから中学生・高校生くらいのお子さんに、一度は触れてもらいたいなぁと、思いました。
オスカルを見守り続ける、力強くも温かく、楽しい「マミーローズ」の言葉の魔法も、見逃さず、心の中にホットミルクでも差し入れするような気持ちで触れてみてください。
うちの上の子は読み終えて、「いい本だったよ〜」とつぶやいていました。
実はこの娘、人が死んじゃうとか、病気になっちゃうとかいう話が嫌いで、今までは見ない・聞かない・触らないだったのですが、
この話は、そんな娘でも自然にリラックスして楽しく読める話だったようです。
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子どもでも作れるお菓子のレシピつき
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投稿日:2011/01/19 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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上の子が「海外」特にヨーロッパが好きなもので、図書館で見つけてつい借りてきてしまいました。
世界中のいろいろな代表的なお菓子が、写真やイラストでのっていて、とても美味しそうでした。
そして、作り方や、そのお菓子にまつわる豆知識ものっていて、お菓子や海外に興味のあるお子さんにはお薦めの1冊ですね〜。
また、子どもでも簡単に作れそうなお菓子の作り方が、材料・イラスト付きでいくつか載っていました。
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シュールでリアル
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投稿日:2011/01/19 |
たれ耳ウサギさん 40代・ママ・群馬県 女の子20歳、女の子17歳、女の子16歳
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学校でも話題になっているらしく、娘はこの本を見つけるなり、
「あ〜カクレモモジリィィィ〜」と言って飛んできました。
彼らは「桃太郎」のモデルといわれているそうです。
どのくらい昔から確認されていたんでしょうね。
因みにあの後姿が他人とは思えません。
他にも多くの種類がツチノコとまちがわれたり、野菜・果物や魚に
混じって出荷されたりと普段からニアミスがあるようですね。
絶滅危惧種に指定されないよう、これからも人間と共存していけるよう
心の底から祈ります。
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イギリスらしい話だね〜。
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投稿日:2011/01/19 |
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県 女の子15歳、女の子10歳
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中3の娘が「面白そうな話だね」と、私が探してきた何冊かの本の中から取り出して、先に読みだしました。
結果「言葉遣いの悪さとか、なんかイギリスらしい話だった」といっていました。(どうも子どもの調べた資料によると、イギリス人は言葉遣いの表現が悪いことが多いらしいです。)
タイトルにあるように、幽霊たちがそこら中に闊歩している物語です。
幽霊が好きなお子さん、不思議なことが好きなお子さんにはたまらないかもしれません。
ただ、本書に登場する幽霊はほとんどが人間に友好的な穏やかな幽霊が多く、中でもウィルキンソン一家は、とても素敵な幽霊一家でした。
登場人物が多く、場面があちこちに飛びすぎるのがいささか気になりますが、コメディタッチの楽しい児童書です。
お勧めの年齢は小学校高学年くらいかな〜?
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兄弟のブタはどうしたの?
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投稿日:2011/01/18 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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ペティトーおばさんぶたには、8匹のこぶたがいました。
わんぱくなこどもたちが主人を怒らせ、7匹が農場から出されることになりました。
あきらめなのか、ペティトーおばさんが主人に従順であることにちょっとがっかり。
自分の子どもたちを送り出すのに少し淡白なような気がします。
そして、7匹のうちのピグリンとアレクサンダーは市に出かけます…。
最後にはピグリンの冒険談になるのですが、なんだか淡々としていて物足りない。
主人公はピグリンだからこれで良いのかもしれませんが、かなりなページが8匹のぶたがふるいにかけられるようにいなくなっていく展開。
アレクサンダーのその後がとっても気になりました。
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力のこもった歴史発掘
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投稿日:2011/01/18 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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2004年に中国の西安で発見された墓誌。
その記載の中に、「井字真成」の文字。遣唐使時代に中国朝廷に重用され、若くして死んだ日本人についての記載があった。
歴史的発見と研究に基づいた作品ですが、いくつかの仮定の基に遣唐使時代の壮大なドラマを描いた絵本です。
創作部分が大半なはずなのに、私は埋もれていた偉大な人物として存在感に納得してしまいました。
綿花はこうして大海を渡ったのでしょうか。
遣唐使の生死をかけた歴史的な大冒険。
歴史に残る偉人の裏で、希望叶わず大海で命を失っていった多くの人たちがいることを理解しました。
日本に帰国できなくても、中国で井真成のように生涯を終えた人たちもいるのでしょう。
川上さんの文には、まなりにはせる悠久のロマンを感じます。
日本画家の鈴木靖将の絵にも絵本を越えた雅を感じます。
タイトルページに描かれた絵も西安で発見された墓碑の文を忠実に再現しているところも判ってみると圧倒されます。
児童書に留めておくのがもったいないような作品でした。
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チョコレートの魔力
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投稿日:2011/01/17 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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チョコレートを食べたとたん、さかなはチョコレートのおいしさのとりこになってしまいました。
寝ても覚めても思い出すのはチョコレートの味。
しかし、どんなに願っても二度とチョコレートを口にできることはありませんでした…。
やがてさかなは死んで、そして生まれ変わります。
チョコレートが大好きな少年。
今度は少年が落としたチョコレートをさかなが食べます。
それが自分だったのでしょうか。
生まれ変った先が、未来ではなくて過去。
チョコレート色のモノトーンのほんわりした絵。
メビウスの輪のような不思議で甘いお話。
チョコレートが食べたくなるようなお話で、チョコレートが恋心にも通じるような切なさも感じられて、チョコレートを落としたのが誰だったのか知りたい願望もあって、たまらないお話です。
バレンタインデーのプレゼントに最適?
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やりきれない悲しみとつらさとせつなさと
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投稿日:2011/01/17 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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小説『月光の夏』に感動しました。映画『月光の夏』には涙が止まりませんでした、そしてこの絵本にはその時に感じた悲しみ、戦争体験者のやりきれなさ、生き残った者としてのつらさ、戦争の傷を忘れようとして生きるせつなさが凝縮されていました。
これは、原作者の毛利恒之さんの思いの結晶だからに他ならないでしょう。
音楽学校の学生が、特攻隊員として出撃する直前に学校のピアノで弾いたベートーヴェンの「月光」。
これから死にに行く若者が引いたピアノ曲への思いは、絵本を見ていても調べが伝わってきます。
小学校の先生が、ドイツ製のピアノ「フレッペル」に忘れなられない記憶が、ピアノの捨てられると知った時に、伝えなければいけないこととして蘇ります。
先生の話が感動を呼び、ピアノは保存されることになりました。
もう一つ巻き起こったのが、その特攻隊員探し。
美談がでっち上げのように思われ、社会の目が冷淡に変って行く様も感じます。
そして、事実を掘り起こしていくと、特攻隊員の死と生き残った者の悲しみが浮かび上がってきます。
生き残った者は、逃げ戻った者として社会の冷たさを足かせのようにして生きていかねばならなかった。
理不尽な理由であっても、社会を敵に回した時の厳しさは過去の話ではありません。
生死を分けた親友の妹と結婚して、過去を封印して生きた45年。
先生との再会、懐古は氷が解けていくような自分解放に感じました。
事実と知ると、多分冷静に読むことのできない絵本です。
しかし、この絵本は戦争の悲惨を忘れないためにも、この本の発信している多くの問題について、自分を振り返るためにも残さなければならない絵本だと思います。
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分っていたつもりでも
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投稿日:2011/01/14 |
陽(はる)母さん 50代・その他の方・山形県 女の子29歳、男の子26歳、男の子17歳
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クリスマスプレゼント用に高校受験の甥に選びました。花びらひとつその意味がある。いろいろな「もの」ひとつにも語られる意味がある。言葉がある。様々な思いをして頑張っている甥にこれからの路への指針ひとつになればと思いました。心が温かくやさしい彼の路が広くなってくれるといいなぁとおばちゃんは思います。私にとって「たいせつな甥」ですから。
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おちゃめなねずみの日常生活ですが
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投稿日:2011/01/14 |
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県 男の子14歳
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人形の家に入り込んだネズミの夫婦。
悪意のない振る舞いが、悪戯になり、家中をめちゃくちゃにしてしまいました。
でも、タイトルほど悪くないのでは?
ねずみたちが家の中でハムを食べようとしたら、ナイフが曲がってしまいました。
全て作りものだからしょうがないのですが、そこから始まるねずみの行動は見ていて笑えるものの、ねずみの一生懸命さが伝わってくるので笑いきれません。
だって、ねずみたちは真剣なのですから。
人形の家の仕組みが判った時、ねずみたちが悪さをするのも仕方がないかと思ってしまいました。
ねずみたちの真剣さには学ぶところがあります。
何しろ、自分も同じかも知れません。
作りものと本物の見分けができないときって、恥ずかしいほどに…。
ただ、最後の展開は理解ができませんでした。
結果はまずかったけれど、弁償しましたってのはおまけのような気がします。
みょうに理屈っぽくなってしまって、この展開では低学年はきついかもしれません。
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