絵本紹介
2022.03.25
「あんなに小さかった子が、もうランドセルを背負う年になるなんて!」と、感動もひとしおの小学校入学。入学式を控えた今は、親も子も「4月からどんな生活になるんだろう!」と期待と不安が入り交じった気持ちでお過ごしのことと思います。
大人だって、いざ新しい環境に飛び込むとなったら不安になるもの。まして経験の少ない小さなお子さんなら尚更です。「子どもを見守るひとりの大人としてなにがしてあげられるのかな?」と考えると、案外これまでやってきたことと同じことで良いのかなと感じます。
朝ごはんは、子どもが好きなおかずを用意して、元気が出るように。
帰ってきたら「おかえり」と言って抱きしめる。
浮かない顔をしていたら「どうしたの?」とはなしを聞く……などなど。
子どもがいよいよ本格的に手を離れていく感覚に寂しさもありますが、子どもの力を信じて、広い外の世界へ飛び出していく後ろ姿を見守るのも、大人の役目かもしれません。入学向けの絵本には子どもだけでなく、親の心構えについても考えさせられるおはなしもたくさんあります。ぜひ、子どもと一緒に残り少ない春休みを満喫してくださいね。
出版社からの内容紹介
がっこうが はじまるよ。 わくわくするね。 あさの おいのりをする こもいるよ。 みてごらん、きてるものも いろいろだよ。 どんなに とおくの くにから やってきた こだって、「ようこそ! ここは みんなの がっこうだよ」
レビューより
「がっこう」にはどうしても狭い社会が形成されてしまい、その外にある広い世界を知ることがなかなか難しいのですが、この絵本に出てくる「がっこう」には様々な人種の子どもたちが通っています。
言葉の違い、肌の色の違い、食文化の違い…、本当に様々な子供たちに出会えます。
差別も偏見もなく、多様性をお互いに認め合える環境の中で自然と育つには、子どもたちにどのような働きかけをしたらいいのかなと大人も考えさせられる一冊でした。
(ouchijikanさん)
出版社からの内容紹介
朝、「行ってきます」と元気よく出かける子どもたち。
その風景は実にさまざま!
世界各国の通学風景を収めた、勇気をもらえる写真絵本です。
世界のさまざまな地域に住む子どもたちは、どうやって学校に通っているのでしょう。
てくてく歩いて?
バスや車に乗って?
学校まで、とても遠い道のりを歩かなくてはならなかったり、
自分の机や、飲み水の入った重いたらいを、運んでいかなければならないこともあります。
本書には、自然災害や、川の急流、けわしい山道、高いがけにも負けず、
毎日懸命に学校へとむかう世界中の子どもたちの写真を収めました。
「学ぶのは楽しい」「友達にも会える」「だから学校へ通うんだ」……
そんな彼らの気持ちが伝わってきます。
そのひたむきな姿は、私たちに勇気と元気を与えてくれます。
●巻頭にはノーベル平和賞受賞、マララさんの写真を収録。
レビューより
春から小学校に通う息子に読みました。
いろんな国の様々な通学路に息子は驚いていました。
日本なら考えられらない状況の中をこどもたちが通学していて、壊れそうな橋の場面では、「なんで?橋は直せないの?危なくないの?」などと心配していました。日本以外の国の状況について色々考えるきっかけになったようです。
自分の通う小学校までの道にこれまで「遠すぎるよー。学校通えないよー。」と文句を言ってましたが、この本を読んでからはそれほどぶつぶつ言わなくなりました。
(うしぞうさん)
16か国の子どもたちの通学風景を紹介した写真絵本です。
バス通学もあれば、船を漕いで通う子もいます。
高い崖を登ったり、綱渡りのように川を渡ったり。
水や机を運んでこなければいけない子もいます。
いろんな国の現実を知ることのできる、貴重な絵本です。
小学校での読み聞かせで、この絵本を読みました。
低学年の子も、高学年の子も、興味深く聞いてくれました。
(クッチーナママさん)
出版社からの内容紹介
一年生になったら、どんな一日を過ごすのかな? 朝の集団登校、国語や算数のお勉強、おいしい給食、たくさんの友だち……。楽しいことがいっぱいの新一年生の一日を紹介する、大型絵本です。
レビューより
5歳の娘とよみました。
「〜のいちにち」シリーズが大好きな娘は保育園生。
「ほいくえんのいちにち」はもちろんのこと、
「ようちえんのいちにち」も読破、
そしてまだ一年あるのに、「いちねんせいのいちにち」も
一緒に読みました。
1年ちょっと後の自分を想像して、ワクワクの娘。
お兄ちゃんと一緒の登校班、
教室の様子、お給食の様子。
そして、おそうじの時間は
お兄さんお姉さんがお手伝いに来てくれると知り、
さらにワクワク。
娘が1年生になったらちょうど息子は6年生。
兄の学年が一年生のお世話係をやってくれるとあって、
ますますワクワクの娘と、
絵本と娘の様子を懐かしそうに眺めるお兄ちゃんの姿が
とってもほほえましく思えました。
なんか、新一年生のワクワクっていいな。
一生に一度しかないこのワクワクを楽しみに、
一年間過ごしてほしいと思いました。
(ムスカンさん)
一年生になった娘に読んだ絵本です。
小学校の生活にやっと慣れてきたところなのですが、
そんな頃の一年生にぴったりの絵本です。
一日の生活の流れが、けっこうあっているようで、
「そうそう!!」なんて言いながら、聞いていました。
「給食の器はちょっと違うなあ」とか(笑)!!
私自身も、こんなふうに生活しているんだーと知ることができ、
楽しかった絵本です♪
(スケボウさん)
この書籍を作った人
1941年、熊本県に生まれる。東京学芸大学および東京教育大学で、障害児教育を学ぶ。養護学校教諭を経て、作家活動に入る。『ぼくのお姉さん』で日本児童文学者協会新人賞・新美南吉児童文学賞・坪田譲治文学賞受賞。『少年の日々』(共に偕成社)で小学館文学賞受賞。『口で歩く』(小峰書店)で産経児童出版文化賞(ニッポン放送賞)受賞。作品に『海をかえして!』(童心社)、『ウソがいっぱい』(くもん出版)、『けやきの森の物語』(小峰書店)、『福の神になった少年』『ほいくえんのいちにち』『ようちえんのいちにち』『いちねんせいのいちにち』『いちねんせいのがっこうたんけん』『いちねんせいのはる・なつ・あき・ふゆ』『ようちえんのはる・なつ・あき・ふゆ』『カイくんのランドセル』(以上、佼成出版社)ほか、多数。
この書籍を作った人
1949年、香川県に生まれる。日本児童出版美術家連盟会員。絵本や児童書のさし絵で、いきいきとした子どもや動物を描き続けている。自作絵本に『むこうへいきたいあおむしくん』『てんしのおとしもの』(PHP研究所)、そのほかの作品に『ぶなぶなもりのくまばあば』(あかね書房)、『うちの屋台へきてみんしゃい』『バイバイ富永くん』(岩崎書店)、『「おめでとう」をいっぱい』(PHP研究所)、『ひきだしの魔神』(文研出版)、『ようちえんのいちにち』『いちねんせいのいちにち』『いちねんせいのがっこうたんけん』『いちねんせいのはる・なつ・あき・ふゆ』『ようちえんのはる・なつ・あき・ふゆ』『カイくんのランドセル』(佼成出版社)ほか、多数。
みどころ
みっちゃんのところに届いたのは、おじいちゃんからの入学祝いのランドセル。
喜んで箱を開けてみると、なぜか中にはおがくずが・・・なんだか様子がヘンです。
ババーンと出てきたのは、「かぶとむしランドセル」!
みっちゃんはおかあさんに文句を言います。
「ぼく、ふつうのランドセルがいい!!」
でもお母さんは、
「せっかくおじいちゃんがくれたんだから、だいじにしなさい!!」
とピシャリ。一方、かぶとむしランドセルはやる気マンマンのようなのです。
「わしとおまえで学校のにんきものになるだに」
さあ、一体「かぶとむしランドセル」は普通のランドセルとどう違うのでしょう。
入学式の前の夜、暗い部屋の中でガサゴソガサゴソ音がします。みっちゃんが眠い目をこすりながら見ると、かぶとむしランドセルが忘れ物がないかチェックをしようと元気に動き回っています。どうやら、本当のかぶとむしと同じで夜行性のようです。もしかして、習性はかぶとむしのままなのかしら!?
当然、次の日からみっちゃんのまわりは大騒ぎ。大きなツノがはえたランドセルは何しろ目立ちます。その上、授業中にうんこをしたり、給食のゼリーに興奮したり、くわがた先生を天敵だと思って威嚇したり・・・。
みっちゃんの苦労に同情しながらも、このコンビの日常が面白すぎて、お腹を抱えて笑ってしまいます。でも、とうとうみっちゃんは腹を立てて!?
みんなとちょっと違うランドセル。持ってて嬉しい子もいれば、ちょっと恥ずかしがる子もいるでしょうね。でも、ここまで突き抜けてまわりと違うランドセルを持っていたら・・・やっぱりかっこいいと思うのです。みなさんはどうでしょう?インパクトと笑いで読めば元気にしてくれる、ふくべあきひろさん&おおのこうへいさんコンビのユーモア絵本です。
この書籍を作った人
1976年生まれ。兵庫県出身。京都大学卒業。博報堂コピーライター。テレビCMや新聞広告を手がけられる傍ら、絵本作家としても活動。絵本の作品に『いちにちおもちゃ』、『いちにちぶんぼうぐ』(絵/かわしまななえ ともにPHP研究所)がある。
この書籍を作った人
1974年生まれ。東京都出身。東京藝術大学卒業。CMプランナー。テレビCMや新聞広告などを手がける傍ら、イラストレーターとしても活動。『あつまれ!全日本ごとうちグルメさん』がはじめての絵本作品。
出版社からの内容紹介
あの、おかしなとのさまが帰ってきた! ちょんまげなのに、ランドセル!
長新太さんも赤木かん子さんも大絶賛した幻の絵本『とのさまサンタ』の続編、待望の刊行!
とのさまは、あそぶの、だいすき。おべんきょうは、だいきらい!
「いやじゃ、いやじゃ。1ねんせいになんて、なりたくないのじゃ!」
困りはてた家来たちは…
クラスが爆笑のうずに包まれる読み語り絵本!
レビューより
こんなお茶目な殿様がいたら楽しいですね。
遊んでばかりは困りものですが、どこか憎めない殿様です。
そんなお勉強嫌いの殿様が、なんと1年生になるというから大騒ぎ!
1年生になるのは嫌な殿様と、なんとか説得しようと頑張る家来たち。
さぁ果たして殿様を無事一年生にすることは出来るのでしょうか。
今までの園生活からガラッと環境が変わり、新しく1年生になる子にピッタリの絵本です。
読みながら、殿様と一緒に1年生になるのが楽しみになるといいですね。
いつの時代でも、真新しいランドセルは見ていてワクワクしてきます。
昔と比べて、本当に色とりどりになりましたね(^^)
そのほかにも色んな持ち物が出てきて、どういったことに使うのか、読みながらお話するのも楽しそうですね。
1年生になるのが待ち遠しくなる、春に読みたい絵本です。(MYHOUSEさん)
この書籍を作った人
絵本作家。絵本創作に紙芝居、イラストレーションなどの創作の仕事やエッセイや翻訳も。代表的な作品に「とうさんかあさん」(石風社/絵本日本賞文部大臣賞受賞)「おかあさんがおかあさんになった日」(童心社/サンケイ児童出版文化賞受賞)、「せとうちたいこさん・デパートいきタイ」(童心社/日本絵本賞受賞)、紙芝居に「ねこのたいそう」(童心社)など。
出版社からの内容紹介
魔女のワンダは、初めて学校に行く日、どきどきしていました。友だちができるかどうか、楽しいかどうか。早速、学校に着いて様子を見てみると、なにか変です。ワンダは杖も羽根も持っていないからです。でも先生は優しく「大丈夫よ」と言ってくれました。本当はワンダは魔女の学校に行くはずだったのに、妖精の学校に来てしまったのです。
出版社からの内容紹介
親愛なる先生、おぼえていらっしゃいますか。わたしはおちつきがなくて、こまったことばかりする生徒でしたね。でも、あなたは決してしからずに、すばらしい一年間の思い出をくださいました。……大人になった女の子が、先生にあてて書いた一通の手紙。自分も「先生」として働く前日に、だいすきな先生への思いをつづりました。時を経ても色あせないすてきなきずなを描く絵本です。
レビューより
落ち着きがなかったり、
困ったことばかりをしたりする昔の私を
先生は寛大な態度で愛情持って接してくれます。
最後、5歳児は少しわからなかったようですが、
7歳児の兄に教えられて意味がわかり、
すっきりした感じで、もう一度めくって見直していました。
私も多くの先生や大人に見守られて成長してきました。
今度は私がこの主人公のような子たちを認め、見守っていける
存在になりたいと思いました。
(まことあつさん)
この書籍を作った人
これまでに40作以上の子どもの本のイラストレーションを手がけ、第一人者として活躍。『リンゴのたび』『よかったね、カモのおちびちゃん』など、作品ごとにさまざまな技法を使う独特のスタイルが評価され、2度のクリストファー賞やジェーン・アダムス児童図書賞など、受賞多数。アメリカ・ニューヨーク州在住
この書籍を作った人
翻訳家。英米の絵本・物語を手がける。おもな訳書に『魔女学校の一年生』『まいごのまいごのアルフィーくん』『アンナの赤いオーバー』『ねえ、どれがいい?』『コロちゃんはどこ?』『せかいのひとびと』など多数。
出版社からの内容紹介
がっこうでつかうおはじきを わすれてしまっただいくん。先生におこられるかなぁと心配しただいくんはさかさまのおまじないをとなえてみました…。
すると、ふしぎなことに、わすれものをしても、テストのてんすうがわるくても、先生はニコニコしています!
この書籍を作った人
埼玉県生まれ。出版社勤務の後、フリーで編集をしながら小沢正氏に師事。絵本に『いかりのギョーザ』(佼成出版社)、『ゆでたまごひめ』(教育画劇)、『えだまめきょうだい』(アリス館)、『かさじおやぶん いっけんらくちゃく』(小学館)、「どろろんびょういん」シリーズ(金の星社)などがある。
出版社からの内容紹介
心のバリアを取り除けば、みんな友だち
お隣に男の子が引っ越してきた。
女の子は、友だちになろうと、ごあいさつ。
でも、いくらあいさつしても、男の子は知らんぷり。やっと気がついたと思ったら変なしぐさをしている。
「ヘンな子!」。
そのときに男の子がしていた妙なしぐさとは……。
耳が聞こえない男の子がしていたのは、「こんにちは」の手話でした。
【編集担当からのおすすめ情報】
お互いのことがわかって理解し合えると嬉しいですね。“わかり合いたい”ということの大切さを伝えています。
巻末には、簡単な一言手話が掲載されています。
この書籍を作った人
1961年徳島県生まれ。鳴門市在住。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を続けている。絵本『おこだでませんように』(小学館)が、2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年にはIBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リストに選出される。同作品で第2回JBBY賞バリアフリー部門受賞。また、『ふくびき』(小学館)、『ともだちやもんな,ぼくら』(えほんの杜)と共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ@〜C(岩崎書店)、『あたたかい木』(佼成出版社)、『えんまのはいしゃ』(偕成社)、『みずいろのマフラー』(童心社)、『ええところ』(学研)、『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)など多くの作品がある。
この書籍を作った人
1970年、東京都生まれ。主な作品に『でこちゃん』(PHP研究所)、『ぼくんちカレーライス』(佼成出版社)、『ポッケのワンピース』(学研)、『ぜったいくだものっこ』(フレーベル館)、『おっと合点承知之助』(作:齋藤 孝 ほるぷ出版)、『ハキちゃんの「はっぴょうします」』(作:薫 くみこ 佼成出版社)、『かさじおやぶんいっけんらくちゃく!』(作:苅田 澄子 小学館)などがある。
出版社からの内容紹介
新しい家にひっこすことが決まったベニー。お父さんとお母さんは、新しい家にわくわくしていますが、
ベニーはちっとも嬉しくありません。 あたらしい友だちをみつけられるか、とても心配でなんです。
レビューより
光吉夏弥さんの訳の本を探していて出会いました。
引っ越しで友達ができるか不安というお子さんにぴったりの内容だと思います。
ベニーの心配な気持ちが丁寧に描かれていると思いました。
犬にしか自分の気持ちを話せないというのも、切ない感じがしました。
最後の場面の絵がとても微笑ましかったです。
別れは寂しいけれど、新しい出会いもまた素晴らしいと思いました。
(はなびやさん)
絵童話の種類だと思います。
タイトルが面白そうだったので、図書館で借りてきたのですが、想像以上に読みやすい楽しい本でした。
子どもたちにとって、“ともだち”って、とっても大事です。
その「大事」加減が重すぎず軽すぎつ伝わってきました。
文章の流れもテンポよく読めました。
特に、新しい町での子どもたちの現れ方が面白かったです。
4,5歳くらいから小学校低学年くらいのお子さんたちに紹介したいです。
(てんぐざるさん)
この書籍を作った人
〈1904-1989年〉佐賀県生まれ。毎日新聞記者を経て、絵本・写真・バレエの研究・評論に活躍。ヘレン・バンナーマン『ちびくろ・さんぼ』をはじめ、シド・ホフ『ちびっこ大せんしゅ』(大日本図書)など、児童書の翻訳を多数手がけた。
出版社からの内容紹介
人間の女の子アーダと仲よくなり、いっしょに暮らすようになった真実の妖精。アーダの学校にも通いはじめるが、いじめっこのレーナは、ほんとうのことしか言えない真実の妖精のやることなすことすべてが気に入らない。いっぽう、学校になじめずに苦しむアーダは、人間の友だちをつくりたいばかりに心にもないことを言ってしまい、妖精を傷つけてしまう。友情と自分自身であることの大切さを伝えるシリーズ第2弾!
この書籍を作った人
英国の作家。大人向けの作品に、『今日から地球人』(早川書房)などの小説やビジネス書がある。児童書作品で、ブルー・ピーター・ブック賞、ネスレ子どもの本賞金賞を受賞、3作品がカーネギー賞候補作に挙げられている。息子に「ファーザー・クリスマスはどんな子どもだったの?」とたずねられたことから、この本の着想を得た。
出版社からの内容紹介
れなは、小学1年生の女の子。小学校の飼育小屋にいるウサギのチュロに会いたいと思っている。でも、飼育小屋にいる6年生のお兄さんが、こわくて、会いに行けない。いつも怒鳴ったり、怒っているようだ。
同じクラスのたけちゃんは、優しいお兄さんだっていうし、ママも友だちになれるといいねっていうけど、絶対に無理。
飼育小屋に行くと、お兄さんは、とても臭いのにウンチの掃除をしていた。たけちゃんのいうとおり、いいお兄さんなのかな。
お兄さんと仲良くなれるかな。
みどころ
ぼくはスポーツが大好き。ボールを使うと大活躍できる。でも……みんなの前で発表するのが苦手なんだ。そんな時は話すのが大好きなりんちゃんが一緒に発表してくれる。
そのりんちゃんは、動物が苦手。飼育係の時には、動物大好きけんちゃんが手伝ってくれる。歌が大好きなソフィアちゃんは、工作が苦手。工作が得意なこうくんは、じっとしているのが苦手。
誰だって好きなことがあれば、苦手なこともあるよね。
それは大人だって同じ。料理が好きなお父さんに、運転が好きなお母さん。小さい子どもが苦手な郵便屋さんに、早起きが苦手な保育士さん。さらに「すき」「にがて」は国境だって越えていく。英語の得意なマリーちゃんはパソコンが苦手。ミンジュンはパソコンが得意だけれど……。
苦手な事は克服するべきだと、前向きな気持ちで頑張ることは、もちろん大切だけれど。「にがて」が個性になり、どこかの誰かとつながっていき、「すき」が隣にいる人を助けることがある。そんな素敵な考え方もあるんだということを、この絵本は丁寧に優しく伝えてくれています。
多様な人々が共生していける社会になるには「自分を認め、他者と支えあう」ということが不可欠です。こんなにも身近なところからスタートできるのだという発見は、大人になった私たちも含めて、見失ってはいけないことかもしれませんよね。
レビューより
赤ちゃん絵本の認識が強かった新井洋行さんの小学生向けの絵本ということで意外に思い手に取りました。挿絵は別の方が担当していることもあり、新井洋行さんの新たな一面を感じられました。
誰にだって「好きなこと」「苦手なこと」があってそれをお互いに助け合いながら支え合うことの大切さを教えてくれます。苦手なことを克服するという考え方と、それを一度受け止めた上で「得意な誰かに手伝ってもらう」という考え方、両方あっていいと思います。その視点はとても大事なことですよね。
誰もが全てのことを得意にする必要なんてありません。様々な個性を認め合いながら子どもたちはこれからの未来を作っていく。多様性が幅広く受け入れられる世の中になるといいなと思います。多くの子どもたちに読んでもらいたい一冊です☆
(ouchijikanさん)
この書籍を作った人
1974年、東京生まれ。二人の娘の父。絵本作家・デザイナー。絵本に『れいぞうこ』(偕成社)、『いろいろ ばあ』(えほんの社)、『みず ちゃぽん』(童心社)、『どじにんじゃ』(講談社)、『おおごえずかん』(コクヨS&T)、『ころころぽーん』(ほるぷ出版)など多数。挿画に「パーシー・ジャクソン」シリーズ(ほるぷ出版)、「モーキー・ジョー」シリーズ(フレーベル館)など。くもん出版からは、「えほんとあそぼ」シリーズのほかに『ぴーかーぶー!』『カチン コチン!』(絵・小林ゆき子)の2冊がある。
出版社からの内容紹介
お人形のくつをはき、マッチ箱の中でねむるまめまめくんは、小さいけれど、なんでもできた。そう、小学校へ行くまでは……。みんなとちょっと違う子にエールをおくる心あたたまるカナダの絵本。
レビューより
この本の表紙を見た時に、
あ、なんか可愛い感じの本だなと思って機会があったら見てみたいな
と思っていました。
とうとう、その機会を今日得て、読んでみました。
すごくいい話でした。
学校に入るまでは、何も知らずにのびのびと育った主人公。
学校に入って壁にぶつかりました。
そのへんのこともさらっと描いてあるところがいいなと思いました。
可愛い!だけでは、ストーリー的に魅力に欠けますから..
そして予想を超える最後!
私が今年であった絵本の中で一番の感動をえた作品でした。
コンプレックスとかを感じている子に勇気を与えてくれる本だと思います。
また、みんなに、人と違ったっていいんだよという肯定的な気持ちを
もたらしてくれる本だと思います。
とにかく、絵も話も素敵な本です。お薦めです。
(汐見台3丁目さん)
この書籍を作った人
1970年埼玉県生まれ。上智大学仏文科卒。絵本を好きになったきっかけは、子どもの頃父親が、自分や近所の子を主人公にして漫画付きのお話をしてくれたこと。20歳の時、パリと南仏エクサンプロヴァンスに留学。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社、餃子店経営を経て、海外の絵本や児童書の翻訳、紹介につとめている。ペットは、顔、頭、目、耳、鼻、性格ともに悪い、忠義心のないラブラドール。 おもな訳書に『うんちっち』(あすなろ書房)、『トラのじゅうたんになりたかったトラ』(岩波書店)、『どうぶつにふくをきせてはいけません』(朔北社)、「せんをたどって」シリーズ(講談社)、『トトシュとキンギョとまほうのじゅもん』(クレヨンハウス)、『ホラー横町13番地』(偕成社)、『おやすみ おやすみ』(岩波書店)、「ハムスターのビリー」シリーズ、『ゾウの家にやってきた赤アリ』『大スキ! 大キライ! でも、やっぱり…』(ともに文研出版)『ねむいねむいちいさなライオン』『せかいをみにいったアヒル』『チビウオのウソみたいなホントのはなし』『クリスマスをみにいったヤシの木』(以上、徳間書店)など多数。
みどころ
すきなことって、どうやって見つける?
ゲームはすき。遊ぶのはすき。
でも…「すきなこと」「もっとやりたいこと」はある?
真剣に具体的に聞かれると、困っちゃいますよね。
じゃあ、べんきょうは…?
「あまりすきじゃない…」「やれっていわれるから」という子が多いかも。
べんきょうと、すきなことは別、というイメージを持つ子が大半かもしれません。
本書は、絵本作家のたかいよしかずさんが、「べんきょうは、すきなことを見つけるチャンスだよ」「考え方を変えれば、べんきょうも、きっとおもしろくなるよ!」というメッセージを込め、その実践的な思考を描いた絵本です。
「すきなこと」の先に「べんきょう」があって、さらにその先に「すきなこと」がある…。
ふつう、子どもたちはそんなふうに考えもしませんよね。
でも本書を読むと、なぜ「すきなこと」が「ちしき」や「こうきしん」につながり、さらに「そうぞう」「くふう」が「すきなこと」を育てていくのか、よくわかります。
例えば絵が好きなら、図鑑から「ちしき」を得れば、もっとうまく描けるようになるかもしれない。虫や動物の実物を見たかったらどうすればいい? そのためにお金や時間はどれくらいかかる?
行動のチャートのページを見ると、「すきなこと」から世界は無限にひろがっていくような気がします。
巻末のワークシートでは、「いま○○○○○がきになってる…」→「もっとしりたいな」(どうやって知る?)→「やってみよう!」(なにをする?)→「やってみたら、おもしろかった!」(なにがおもしろかった?)と、ゲームのように思考を育てることができます。
小学校高学年くらいの子どもたちに読んでほしい、同時に、年齢問わず多くの人に読んでほしい絵本です。
大人だって、「そういえば、自分のすきなことって何だったっけ? そのための努力を、何をしただろう? これから何をできるだろう?」と考えさせられるかもしれません。
絵本作家・デザイナーとして活躍しつつ、今なおたくさんの夢を持ちつづけて「すきなこと」にがんばる、たかいよしかずさん。そんな作者から子どもたちへのあたたかいエールが感じられる絵本です。
同じくたかいさんの作品『ともだちのつくりかた』とあわせて、ぜひ読んでみてください。
この書籍を作った人
大阪府堺市生まれ。魚座。大阪芸術大学デザイン学科卒業。(株)京田クリエーション入社。2001年、2003年、2006年、2011年ボローニャ国際絵本原画展入選。明治「マーブル チョコレート」キャラクターの「マーブルわんちゃん」、兵庫県西宮市観光キャラクター「みやたん」など、多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍している。その他の主な作品に、『怪談レストラン』シリーズ(童心社)の装丁・挿し絵、『おはなし・くろくま』シリーズ『わくわく・くろくま』シリーズ(ともにくもん出版)、エッセイ集『キャラクターデザインの仕事』(大日本図書)『うごくくるまえほん 』(ミキハウス)など。見た人を元気にする作品づくりがモットー。
みどころ
今日、学校でめえこ先生が出した宿題は、なんと……「だっこ」。
おうちの人にだっこしてもらってください、なんて言うのです。
「えー」「はずかしいよー」「やだー」
子どもたちは口々に言います。
そうだよね、ちょっと恥ずかしいよね。
もぐらのもぐくんもおんなじ。
だけど、あれあれ?
もぐくん、なんだかちょっと嬉しそうに急いでおうちに帰ります。
「ただいまー、おかあさーん」
さっそく宿題の話を伝えようと思ったもぐくんですが、お母さんは忙しそう。生まれたばかりの赤ちゃんのお世話をしているので、あまりかまってもらえないのです。そのうちお買い物に行ってしまったお母さん。もぐくんは、今日中に宿題のことをちゃんと伝えられるのでしょうか。
学校の宿題なんて、大変な思い出ばかり。だって、家に帰ったら遊びたいし、忘れちゃうことだってあるし。でも、こんな宿題だったら……やっぱり嬉しいかな。ちょっと大きくなると、ぎゅっとしてもらえる機会は減ってしまうもの。だからこそ、こんな風に宿題にして出されたら、例えイヤイヤだって、仕方なしだって、いい時間になってくれるはず。なにより嬉しいのは大人の方ですものね。めえこ先生、なかなかいい思い付きです。
そして絵本を閉じたら……!
親子で触れ合う貴重な時間を、ぜひ作ってくださいね。
この書籍を作った人
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、教員生活を経て絵本の世界に入り、独自のはり絵の手法を用いて、繊細で心温まる世界を展開している。『ねこのえほん』(講談社)『そばのはながさいたひ』(佼成出版社)で2年連続でボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞。『いもとようこ うたの絵本T』(講談社)で同グラフィック賞受賞。
出版社からの内容紹介
難関校合格者を輩出。教育熱心な親の間で注目を集める作文通信「言葉の森」代表が、家庭教育の現場から「10歳までの本物の勉強法」を発信。
多くの親が焦ってしまうが、低中学年はよく遊び、好きなことを追求するのが大切な時期。勉強は詰め込まず、家庭学習の習慣がつけばいい。ただ、読書だけはたっぷりさせたい。国語力は学力の土台。そして、国語力は読書によって身につくもの。
この時期にたくさん遊んで余力を蓄え、読書で国語力を養った子は高学年から一気に伸びる。学校生活のスタートである「小学校最初の3年間」を、どう有意義に過ごさせてあげるか。まったく新しい観点の教育指南書。この時期に読みたいオススメ本52冊も掲載。