箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2023.03.14
うさぎのさとうくんは、ある日うさぎになりました。それからずっと、うさぎとして暮らしています。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『うさぎのさとうくん あさひ』。うさぎのさとうくんが過ごすのは、どんな一日なのでしょう……?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
うさぎのさとうはねるくんは、ある日うさぎになったんですが、最近とくにのんびりと暮らしているようです。
カーテンのすきまから入る細い光。それをそっとつまむと、光の棒に。その棒でコーヒーをかきまぜます。ごっくん、いいかおり。空が明るくなってくると、今度は光の棒で木漏れ日をあつめ、かさねて、たき火に。日が暮れてくると、夜露に灯をともしていき……。光の棒がなくなるまでの、さとうくんの夢のような一日を描いたお話「あさひ」。
広い広い海で、さとうくんの部屋が海に浮かぶ小さな灯台になった時の不思議なお話「とうだい」。
「うさぎのさとうくん」シリーズ、8年ぶりの新作に収められているのは、この2編です。
星と海とおいしいものが好きなさとうくんの一日。今日は、カーテンのすきまから入り込む細い日の光を見つけるところから始まります。
光の棒で入れるコーヒー、どんなかおりがするのでしょう。なんておいしそうなのでしょう!
「うさぎの さとうはねるくんは ある日 うさぎに なりました。」
そんな出だしで始まる「うさぎのさとうくん」シリーズ。『うさぎのさとうくん』『うさぎのさとうくん つきよ』『うさぎのさとうくん こうちゃのうみ』に次いで、なんと8年ぶりの新作が『うさぎのさとうくん あさひ』です。ちょっぴりシュールな世界観の中でくり広げられるのは、思いもつかないほど素敵なできごとばかり。今作の中では、光をあつめるうさぎくん。その方法や楽しみかたの豊かなこと! 私たちの想像のちょっと先にある世界を、幻想的に、それでいて親しみのわく表現で描いてくれるのです。
何気ない生活の中で起こる、小さな奇跡の連続。私たちも、さとうくんみたいにうさぎになって暮らしてみれば、こんな幸せな気持ちになれるのでしょうか。子どもから大人まで、誰もが「気持ちのいい一日」を体験できる絵本です。
さとうくんになりたい
さとうくんは、うさぎになったからこんな素敵な暮らしをしているのでしょうか。それとも、こんな素敵な暮らしをしているから、うさぎになったのでしょうか。木漏れ日を集めるさとうくんや、ほのかな光に包まれながら眠りにつくさとうくんや、月のさきっぽを口にするさとうくんが、うらやましくて仕方がないのです。そんな強烈な憧れを抱かせてくれる絵本なのです。
この書籍を作った人
横浜出身、多摩美術大学 日本画専攻卒。絵本の作品に「うさぎのさとうくん」シリーズ(小学館)『わたしは いま とても しあわせです』(大住力 編・ポプラ社)『あかちゃんが うまれるまで』(遠見才希子 作・童心社)など。『うさぎのさとうくん』で第12回日本絵本賞受賞。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。