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絵本紹介
2023.09.21
朝起きたら気分がよくってね、るんるん、片足あげておどっちゃう。お隣さんもおどってる? と思ったら……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『おどってる こまってる』。ユーモア絵本作家・高畠那生さんならではの面白さ全開! いったいどんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
「わたし おどってます」
なんだか気分がよくってね。るんるん、おどっちゃう。次に登場するのも、おどっている人。どのページを見ても登場するのはおどっている人ばかり。なんて愉快で明るい絵本なんだ……と思っていると、あれれ、ちょっとちがうみたい。
「いえいえ わたしは こまってます!」
てっきりお隣さんも「おどっている」のだと思っていたら、どうやら「こまっている」らしい。耳に水が入って取れないから、片足でとんとん跳ねているんですって。言われてみれば、そんな風にも見える? じゃあ、お隣さんは? そのお隣さんは?
「いえいえ わたしは おどってます」
「いえいえ わたしは こまってます」
こまってるのに、おどってて、おどってるのに、こまってて。
確かに「おどってる」姿も「こまってる」姿も、紙一重。
……って、ほんとかな?
実際に、街中に全身をこんなにくにゃくにゃさせている人があふれていたら、おかしな世界に迷い込んだと思ってしまうはず。けれど、高畠那生さんが手がけると、ついつい笑ってしまうのです。楽しいのです。あのポーズはこまってる? この動きはおどってる? 混乱する頭で眺めているうちに、いつしか自分もついつい言ってみたくなってしまうかもしれませんよ。
「ほら どうよ。おどってる? こまってる?」
意外とあふれている、逆転の世界!?
おどっているつもりなのに、こまっているように見える人。こまっているかと思ったら、楽しくおどっているだけの人。視点を変えてみると、実は意外とあふれているのかもしれない、逆転の世界。そういえば、笑っているつもりなのに、怒っていると言われたり、嬉しくてドキドキしているだけなのに、大丈夫?と聞かれたり。あれあれ、自分も意外とわかりにくかったりして。人を見るときは、もう一歩深く観察してみることも大切ですね。ほら、この人。実はこんなに勇気を出して踊っているんだって、知ってました?
この書籍を作った人
1978年岐阜県生まれ。絵本作家。主な作品に『ぼく・わたし』『チーター大セール』(ともに絵本館)『いぬのムーバウいいねいいね』(講談社)『おまかせツアー』(理論社)『ぞうの金メダル』(作・斉藤洋/偕成社)『飛んでった家』(作・クロードロワ/訳・石津ちひろ/長崎出版)がある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。