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絵本紹介
2023.09.28
朝になるとママは封筒に炒った大豆を15つぶ入れて言うのです、「これがあなたの一日ぶんの食べものよ」。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『トットちゃんの 15つぶの だいず』。女優の黒柳徹子さんが自身の小学生時代を描き、大ベストセラーとなった『窓ぎわのトットちゃん』、そのもうひとつのお話として誕生したのがこの絵本です。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
トットちゃんが小学2年生の時、日本は戦争をはじめました。戦争は、トットちゃんのまわりから色々なものをなくしていきます。トットちゃんのパパも、兵隊さんになって家からいなくなりました。
戦争をはじめる前、トットちゃんのトモエ学園でのお弁当の時間はとても楽しいものでした。けれど、どんどん食べるものがなくなっていき、朝になるとママは封筒に炒った大豆を15つぶ入れて言うのです。
「これがあなたの一日ぶんの食べものよ」
トットちゃんは、学校へ着くまでに3つぶ、お弁当のかわりに3つぶ食べました。残りは9つぶです。警報がなって防空壕でじっとしながら、もう2つぶ食べます。それでも、お腹はへっています。全部食べたいけれど、そうするとうちへ帰ってからの分がなくなってしまいます。トットちゃんは悩みますが……。
家族がそろって、安心で、うれしかった家。トットちゃんは幸せでした。戦争がはじまると、「ねむいし、さむいし、おなかがすいた」が、トットちゃんの口ぐせになりました。
ママは「食べたら、お水をいっぱいのむのよ。豆がふくらんで、おなかがいっぱいになるわ」と言うけれど、トットちゃんは学校につくまでに、がまんができなくて、つい3つぶを食べてしまいます。お水を飲めなかったせいか、おなかはいっぱいになりません。
学校の帰り道、トットちゃんはいつも、おりるべき駅のひとつ手前の駅でおりてしまいます。キャラメルの自動販売機があるのです。「もしかして!」1個ぐらい残っているかもしれないと、確かめずにはいられないのです。
女優の黒柳徹子さんが自身の小学生時代を描き、大ベストセラーとなった『窓ぎわのトットちゃん』。そのもうひとつのおはなしとして『トットちゃんの 15つぶの だいず』が誕生しました。児童文学作家の柏葉幸子さんが子どもたちに語りかけるような親しみやすい文章を、絵本作家の松本春野さんが、やわらかなタッチで生き生きとしたトットちゃんを描いています。
戦時下の様子が描かれる絵本の中の子どもたちは、どうしても悲しい表情になります。つらい状況が続くわけですから当然です。けれど、このお話の中で、トットちゃんはたくさんの表情を見せてくれます。学校から家に帰るたびに家族が生きていることを笑顔で喜び、あまいキャラメルの味を思い出してはうっとりし、どうにか自動販売機をゆすってみようと真剣な顔でしがみつくのです。そんなトットちゃんの明るさやひたむきさによって、あたたかい世界が展開していく『トットちゃんの 15つぶの だいず』。
トットちゃんの戦争体験を自分のことのように感じながら想像し、平和を考える大きな一歩に……。親子で一緒に、たくさん会話しながら読んでみてくださいね。
「平和でなくてはダメなのです」
かわいくて、活発で、おもしろくて……みんなのイメージの中にある、あの「トットちゃん」。だからこそ、トモエ学園でのびのびと過ごすトットちゃんの一日の食べ物が「だいず15つぶ」だったことに驚いてしまうのです。戦争は、こうして子どもたちの生活にも入り込んできたのだということを、改めて実感せずにはいられません。「戦争ほどおそろしいものはありません。平和でなくてはダメなのです。」黒柳徹子さんのメッセージは、世代を超えて、まっすぐ心にささります。
この書籍を作った人
女優・ユニセフ親善大使。東京都生まれ。自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』でも描かれたトモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として、現在にいたるまで大活躍している。『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)は、800万部というベストセラーの日本記録を達成し、全世界で2500万部を売り上げている。アジア初のユニセフ(国連児童基金)親善大使として、長年にわたりアフリカ、アジアなど各国を訪問、めぐまれない子どもたちのことを知ってもらうための活動に力を入れている。
この書籍を作った人
岩手県に生まれる。東北薬科大学卒業。『霧のむこうのふしぎな町』で日本児童文学者協会新人賞受賞。『つづきの図書館』で小学館児童文学賞受賞。ほかに『とび丸竜の案内人』『大おばさんの不思議なレシピ』『バク夢姫のご学友』など画家児島なおみ氏とのコンビのファンタジーが多い。
この書籍を作った人
絵本作家・イラストレーター。東京都生まれ。多摩美術大学油画専攻卒業。絵を手がけた絵本『おばあさんのしんぶん』(原作/岩國哲人)でけんぶち絵本の里大賞アルパカ賞、『バスが来ましたよ』(文/由美村嬉々)で親子で読んでほしい絵本大賞2位など、受賞歴多数。祖母は『窓ぎわのトットちゃん』の挿絵のいわさきちひろさん。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。