箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2024.01.18
365日、毎日変わるお天気の中で、雪の日はちょっと特別です。突き刺すような寒さの中、見上げた空からちらちらと舞い降りる雪。朝起きてカーテンを開けた瞬間、目に映る窓の向こうの真っ白な風景。降り始めも、降りしきる時間も、降りやんでからも、いつもと違う白い世界を目の前にすると、一瞬時が止まったような感覚をおぼえます。
雪をテーマにした絵本では、さらにいろいろな雪景色に出会えることでしょう。 しんしんと静かに降る雪、手のひらの上であっという間にとけてしまう雪。雪の中に最初に足を踏み入れるドキドキ感、サクサクとした感触。ソリに雪合戦、雪だるま、雪あそびの楽しさは尽きることがありません。
雪降る夜の家族の団らんを描いた絵本も印象的です。外は寒いはずなのに、集まって過ごす一家のひとときはなんて温かそうなのでしょう……。冷たくてふわふわして、美しくて。静かだったり、にぎやかだったり、優しく不思議な雪の世界。絵で、ことばで、おはなしでたっぷりと味わってください。
みどころ
「なんだろな。なんだろね。
そう ゆき。
あ、ふってきたね。
ゆき……だね。」
いま、まさに雪が降ってきたことを、子どもにやさしく語りかける言葉からはじまるこの絵本。
この絵本は「語りかけ絵本」と称され、赤ちゃんへ語りかける言葉でつづられています。
「ゆき」について、「しろい、つめたい、とける」といったイメージはなんとなく持っていても、まだ本物にふれた経験のない子がほとんどですよね。
そうした「ゆきってなんだろう?」という漠然としたイメージを、
「おでこにあたったよ。
……きえちゃった。
また、あたった。
……つめたい!」
などと五感に働きかけながら、やさしく語りかけて伝えてくれるんです。
作者のこがようこさんは、絵本作家・絵本コーディネーターであり、長年「語り」の活動をされています。読み聞かせは子どもの発達に効果的と言われ、赤ちゃんにも読み聞かせしてあげねばと意気込むパパママも多いと思います。
ですが、赤ちゃんへの読み聞かせって、どうやっていいのか分からないというお悩みもよく聞きます。そんなお悩みをこの絵本は解消してくれるんです。なぜかというと、絵本の文章をそのまま読めば、自然に赤ちゃんに語りかけができるよう作られているからなんです。
しかも、後ろの見返しには「語りかけちょこっとヒント」もついていて、絵本を読んだあと、さらに赤ちゃんとの手遊びに発展させていくこともでき、初めての読み聞かせをいろいろな形でサポートしてくれます。
「ゆき」は、ひとつぶひとつぶは小さいけれど、集まると真っ白になってさまざまな形に変化する、というふしぎな存在です。そんな雪を、はらはらと降ってくるゆき、積もって一面銀世界のゆき、と優しい絵で視覚的にも分かりやすく表現することで、赤ちゃんに「これがゆきよ」と効果的にイメージを伝え興味をうながしてくれます。
そんな赤ちゃんへの読み聞かせのために、すみからすみまで考えられて作られた「かたりかけ絵本」は、本作でシリーズ6作め。赤ちゃんに、この絵本で語りかけながら、「ほら、これが冬になるとふってくるんだよ」と伝え、親子で楽しいひと時をお過ごしください。
この書籍を作った人
作家。絵本コーディネーター。20年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『あたしおねえちゃんなの』(スティーナ・ヴィルセン・絵/クレヨンハウス)、『ママがおねつのおはなし』『10人のきなちゃん』(童心社)、『わがまんまちゃん』(大日本図書)がある。
出版社からの内容紹介
人気絵本作家なかやみわさんが描いた大人気の「こぐまのくうぴい」!「こぐまのくうぴいえほんシリーズ」初のしかけ絵本が登場です!さわってびっくり!?雪だるまや雪、雲などの白い部分がふわふわしていて、手ざわりのよさを楽しめます!それだけではありません!なんと、星や雪の結晶がキラ☆キラ☆光るラメ加工がされているんです☆読んで見てさわって楽しめる、心温まるストーリー。さあ、くうぴいと一緒に迷子の「きらきらちゃん」を仲間のところへ帰してあげてくださいね♪
この書籍を作った人
埼玉県生まれ。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業。企業のデザイナーを経て、絵本作家になる。 主な絵本に「そらまめくん」シリーズ(福音館書店・小学館)、「ばすくん」シリーズ(小学館)、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)、「どんぐりむら」シリーズ(学研)、「こぐまのくうぴい」シリーズ(ミキハウス)、「やさいのがっこう」シリーズ(白泉社)など多数ある。愛くるしく魅力的な登場人物を描いた絵本作品は、子どもたちに絶大な支持を受けている。
みどころ
冬の日の夕方、子犬のころわんがおうちの前にいると、空から白いものがふわり、ふわり……。
「ひゃあ、つめたい。おはなにとまっても、すぐきえちゃうよ。おかあさん、これなあに?」
ころわんに、おかあさんは答えます。
「これは、ゆ、き。はつゆきよ」
その夜は、静かに雪がふりつづき……。
朝になってころわんはびっくりします。
「わん、わん、わん。しろい、しろい、まっしろい! おかあさん、これ、ぜーんぶゆきなのね!」
どこまで白いのか、雪の中を見に出かけたころわんは……?
人気の「ころわん」シリーズ、最後の絵本。
間所ひさこさんの文、黒井健さんの絵によって1985年『ゆきのひのころわん』から34年。
単行本化前の、月刊絵本でのシリーズ誕生から数えると36年にわたり愛されてきました。
間所ひさこさんが2019年にお亡くなりになり、27冊目の本書が最後の絵本となりました。
初めて見る雪におどろいて、はしゃぐころわん。
雪をいっぱい顔やからだにくっつけて、とことこ、さくさく、と白い雪の中を歩いていくころわん。
寒いのも忘れて元気に遊びまわるころわんと、友だちのちょろわん。
ずっと変わらないころわんたちに、幼い子の姿が重なります。
黒井健さんの繊細な筆で、日本の美しい四季が表現されてきたころわんシリーズ。
かわいい子犬のころわんと一緒に、もう一度、季節を味わいたくなる絵本です。
この書籍を作った人
1938年、東京都生まれ。第1回日本童話会賞、詩集『山が近い日』(理論社)で第13回野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。主な作品に、「10ぴきのかえる」シリーズ(絵:仲川道子/PHP研究所)、「ころわん」シリーズ(絵:黒井健/ひさかたチャイルド)、『クリスマスにくつしたをさげるわけ』(絵:ふりやかよこ/教育画劇)『くっきーだあいすき』(絵:岩村和朗/金の星社)などがある。2019年死去。
この書籍を作った人
1947年新潟県生まれ。新潟大学教育学部中等美術科卒業。児童出版美術家連盟会員。主な作品に『ゆきのひのころわん』他ころわんシリーズ(ひさかたチャイルド刊)『手ぶくろを買いに』『ごんぎつね』(偕成社)『おかあさんの目』(あかね書房)他多数の作品がある。
出版社からの内容紹介
森は雪にうもれています。ねずみたちは、部屋の中でゲーム遊び。おじいさんは、そりを作って……。
この書籍を作った人
1939年東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒。主な作品に『14ひきのあさごはん』(絵本にっぽん賞)など「14ひきのシリーズ」、エリック・カールとの合作絵本『どこへいくの?To See My Friend!』(童心社/アメリカ、ペアレンツチョイス賞)、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(偕成社/サンケイ児童出版文化賞)、『かんがえるカエルくん』(福音館書店/講談社出版文化賞絵本賞)、「トガリ山のぼうけん」シリーズ、「ゆうひの丘のなかま」シリーズ(理論社)などがある。98年栃木県馬頭町(現・那珂川町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館、絵本・自然・こどもをテーマに活動を続けている。栃木県益子町在住。
みどころ
雪が降った日の朝は、誰もがワクワク、そわそわ、
外に出てどんな遊びをしようか悩む子も多いでしょう。
そんなときにオススメなのが『ゆきあそび』。
主人公のこぶたちゃんはお友達のねずみくん、りすくんたち、
うさぎちゃん、くまくんと一緒にいろんなゆきあそびを楽しみます。
雪の上をぐるりと回ったり、ジグザグに歩いて足跡を残したり、
雪玉を作って、雪合戦をしたり、
雪玉をころころころがして、自分にそっくりの雪だるまを作ってみたり。
たくさん遊んで、お家に入って、ついウトウト。
眠りの中で見る夢もやっぱり……。
「たちもとみちこのこぶたちゃんしかけえほん」シリーズの4冊目。
今回も、ページの随所に、上に開いたり、左右に大きく開いたり、
楽しいしかけが盛りだくさんです。
雪の降る前、雪が降った後に読むと、さらに絵本の世界が身近に感じることでしょう。
この書籍を作った人
石川県金沢市出身。大阪芸術大学デザイン学科視覚情報デザイン学科卒。大阪芸術大学文藝学科客員准教授、同短期大学部客員准教授。絵本をはじめ、イラストレーション、映像、玩具、雑貨、クラフトなど様々なジャンルで「子ども」をテーマに創造性豊かでユーモラスな世界を繰り広げ遊び心をもった作品を発表し続けている。著書の絵本に『アニーのちいさな汽車』(学研)、『ことりのゆうえんち』『ゆきのはな』(PHP研究所)『おほしさま』(教育画劇)『はだかの王さま』『てぶくろ』『3びきのくま』(ブロンズ新社)など他多数。DVDに脚本・監督・イラストを手がけたアニメーション「つづきのおはなし」(クリエイティブ・コア)がある。子どものマルチメディアを企画制作するレーベル 「colobockle(コロボックル)」を主宰。東京、中目黒に「colobockle」のアンテナショップがある。
出版社からの内容紹介
ゆきだるまとかがみもちは、ガラスごしにお互いを見て思いました。「ぼくたちそっくりだなあ」「いっしょにあそびたいなあ」。そんなとき、おじいさんがふと思いつき、庭に出てゆきだるまの頭にみかんをのせると……。
この書籍を作った人
山口県生まれ。詩人、絵本作家。詩情あふれる独自の視点で多彩な作品を創作。言葉遊びの達人でもある。詩のボクシング全国チャンピオン。サンリオ詩とメルヘン特別賞などを受賞。絵本『ひだまり』(光村教育図書)で産経児童出版文化賞産経新聞社賞、『みどりのほし』(童心社)で児童ペン賞絵本賞を受賞。詩集、絵本、翻訳、作詞など作品多数。
この書籍を作った人
1973年山口県宇部市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。絵画・イラストから立体まで、幅広く制作活動を行っている。絵本に『まちぼうけの生態学』(遠藤知二・文/福音館書店)、挿画に『ぼくたちに翼があったころ―コルチャック先生と107人の子どもたち』(タミ・シェブ=トヴ・作/福音館書店)などがある。
出版社からの内容紹介
真っ白な雪の世界を舞台に、きつねの子と女の子の
友情と思いやる心を描く、美しい物語。
美しい貼り絵の技法で世界中で愛される絵本作家、
いもとようこさんの新しい絵本シリーズがスタート。
友情、思いやりなど、幼い子ども達に育みたい美しい心を描きます。
シリーズ2作目「ねこライオン」(2023年2月)、
3作目「ともだちだもん!」(2023年4月)も続けて刊行予定。
この書籍を作った人
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、教員生活を経て絵本の世界に入り、独自のはり絵の手法を用いて、繊細で心温まる世界を展開している。『ねこのえほん』(講談社)『そばのはながさいたひ』(佼成出版社)で2年連続でボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞。『いもとようこ うたの絵本T』(講談社)で同グラフィック賞受賞。
出版社からの内容紹介
生まれて初めて雪を見た子ぎつねは、そのまぶしさに、そしてあまりの冷たさにびっくりぎょうてん。かあさんぎつねは、そんなぼうやに、手ぶくろを買ってあげたいと思うのですが・・・。
この書籍を作った人
1913年現在の愛知県半田市生まれ。東京外国語学校卒業。1943年結核により29歳の若さで亡くなる。『ごんぎつね』『てぶくろをかいに』『でんでんむしのかなしみ』『おじいさんのランプ』などの作品がある。
この書籍を作った人
1969年、東京都生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。絵本の作品に『パンちゃんのおさんぽ』『いたずらコヨーテキュウ』『やまねのネンネ』(BL出版)、『みけねこキャラコ』『こねこのポカリナ』『おはなのすきなトラリーヌ』『トラリーヌとあおむしさん』『ふゆのひのトラリーヌ』(偕成社)、『チップとチョコのおでかけ』『チップとチョコのおつかい』『チップとチョコのおるすばん』(文溪堂)、『くりちゃんとひまわりのたね』『くりちゃんとピーとナーとツー』(ポプラ社)、『チリとチリリ』『チリとチリリ うみのおはなし』『チリとチリリ まちのおはなし』(アリス館)、『ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻』(学習研究社)、『カロンとコロン はるなつあきふゆ4つのおはなし』(主婦と生活社)、『ねこのかあさんのあさごはん』(小学館)など多数。千葉県在住。
出版社からの内容紹介
春にうまれたキツネとウサギは、まだ雪をみたことがありません。
「雪って なあに?」
ふたりは森のなかまたちにたずねていきます。
「雪っていうのはね」
動物たちからもらった手がかりで雪をみつけられるのでしょうか。
この書籍を作った人
埼玉県生まれ。詩人、絵本作家。詩集に『ひつじがいっぴき』(フレーベル館)、『五つのエラーをさがせ!』(大日本図書)。創作絵本に、『クリスマスべんとう』(教育画劇)、『なになになあに?』『はたらくんジャー』(フレーベル館)、『からだのなかでドゥンドゥンドゥン』(福音館書店)、『おっとっと』(講談社)。絵本の翻訳もてがけ、クリス・ホートン作『どうする ジョージ!』(BL出版)で第62回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。『クマのパディントン』『ともだちからともだちへ』(理論社)、『ヨセフのだいじなコート』(フレーベル館)、『ピッツァぼうや』(らんか社)、『どんないえにすみたい?』(好学社)、『おなじそらのしたで』(ひさかたチャイルド)、『クレヨンからのおねがい!』(ほるぷ出版)他多数。
出版社からの内容紹介
ゆきのひに、うさぎちゃんやりすちゃんと、雪合戦をしたり雪だるまを作って遊んだ、さあちゃんとゆうちゃん。夜になると、その雪だるまたちは動きだし……。
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
文:竹原雅子 編集:木村春子