絵本紹介
2024.03.25
さあ、いよいよ小学生! 好きな色のランドセル、自分で選んだ文房具、体そう服や給食グッズ……ママ・パパは買い物に名前付けにちょっと忙しいけれど、うれしそうに準備するわが子を目にしたら、新しい生活への期待がふくらみますよね。
小学校をテーマにした絵本を読めば、さらに楽しみに!
小学校2年生の先輩(!)がこれから小学生になる後輩たちに向けてアドバイスを書いた『しょうがっこうがだいすき』。こんな学校あったらいいな!妄想が駆け抜ける『ぼくのがっこう』。教室、靴箱、給食、学校にある“もの”たちの気持ちが詩になった『学校はうたう』。
ほかにも読み継がれる谷川俊太郎さんの詩の絵本や、みんな大好きな「おさるのジョージ」「ようかいむら」シリーズなどなど、バラエティに富んだ絵本が勢ぞろい。
ワクワクの反面、ドキドキする気持ちもあることでしょう。子どもたちの背中をポンと押してくれる絵本は、これからはじまる小学校生活の心強いお守りにもなってくれると思います。
出版社からの内容紹介
小学2年生のせんぱいから、これから小学生になるみんなへ。「さけばないようにれんしゅうしよう」など小学校生活を楽しく送るための16のアドバイスを、ういさんが自分の力で書き上げました。不安と楽しみがいっぱいの入学を控えたお子さんに送る一冊。
この書籍を作った人
絵本作家。1978年 福岡生まれ。静岡県三島市在住。 熊本大学教育学部卒業。主な作品として、『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『あきぞらさんぽ』『ゆきみちさんぽ』『はるかぜさんぽ』(講談社 / 全国学校図書館協議会選定図書)、『なきごえバス』(白泉社 / 第9回MOE絵本屋さん大賞2016「パパママ賞」第1位 )『なきごえたくはいびん』、『いろいろおてがみ』(小学館 / 全国学校図書館協議会選定図書)『いろいろおしたく』、『あのね あのね』(あかね書房)、『あなたのことがだいすき』(KADOKAWA)など。『はこちゃん』(文・かんのゆうこ / 講談社)、『せんそうしない』(文・谷川俊太郎 / 講談社)、『おかあさんのいのり』(文・武鹿悦子 / 岩崎書店)、『まだかなまだかな』(文・竹下文子 / ポプラ社)の絵を担当。また、雑誌や教科書などの挿絵も手がけている。現在、静岡県三島市にある絵本専門店「えほんやさん」代表も務めている。
みどころ
『ぼくのおふろ』、『ぼくのトイレ』、『ぼくのふとん』に続く、鈴木のりたけさんの「ぼくの」シリーズ。久々の新作は、学校!?
着目アイテムが進化して、新章突入でしょうか。いつもの主人公も、心なしか立派に成長しているようで、頼もしい容姿です。
さあ、いつものように、上から見下ろすようなアングルの表紙絵からスタート。どんな学校が登場するのでしょうか。
入り口が滝、下駄箱に鳥、で驚いていてはいけません。廊下がグニャグニャ、教室も机も椅子も、授業だって。何と言っても、後半、子どもたちが先生になるあたりから、子どもたちが大活躍! 迷子になった校長先生探しは、探し絵の世界です。もちろん、たっぷり描かれたサブストーリーを楽しみましょう。子どもたちにとって、特別な存在の校長先生だからこその展開にハラハラドキドキ。
いろんな こどもが いるように
いろんな がっこう あったら いいな
みなさんも一緒に考えてみませんか?
鈴木のりたけさんの作品は、「ぼくの」シリーズをはじめ、自由で伸びやかな空想の世界が魅力的で、おはなし会でも大盛り上がりです。
この書籍を作った人
1975年、静岡県浜松市生まれ。会社員、グラフィックデザイナーを経て、絵本作家に。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば東京スカイツリー®』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞、『大ピンチずかん』(小学館)で第6回未来屋えほん大賞・第13回リブロ絵本大賞・第15回MOE絵本屋さん大賞を受賞。また2022年に第2回やなせたかし文化賞を受賞した。ほかの作品に『おしりをしりたい』(小学館)、『す〜べりだい』(PHP研究所)、『ねるじかん』(アリス館)など多数。
みどころ
校門や机、給食にチャイム。
学校にあるいろんなものが、生き生きと気持ちを歌い出したら、どんなに楽しいかしら!
そんな楽しい思いつきを心地良いリズムでつづった杉本深由起さんの詩と、自由に伸びやかな線と色で描かれた松田奈那子さんの絵が、イメージたっぷりに「学校の楽しさ」を伝えてくれる1冊。
「きみの くつをいれるのは 一だんめの 右から三ばんめ」
と靴箱がやさしく子どもを迎え入れ、
「ほら いそげ トイレは すぐそこ」
と、廊下が子どもを励ましてくれる。
友だち口調や独り言、物語風と、手を変え品を変え綴られた詩。子どもたちを見守るたくさんのまなざしと励ましなどの気配が、学校にはあふれているようです。
詩の一編ごとに文字の形や配置が微妙に変えてあって、それぞれに違うリズムを奏でているのも注目! パッとページを開いたときに、「どんな風に読んだらいいのかな?」と子どもも大人も想像して楽しみ、時に歌って楽しみましょう♪
この書籍を作った人
1985年、北海道生まれ。画家。絵本作家。2009年に札幌大谷大学短期大学部専攻科美術専攻を卒業。2011年、多摩美術大学大学院美術研究科 修士課程 絵画専攻 修了。絵本制作のほか、雑誌、広告、映画など様々な媒体で活動。個展、グループ展にて作品を発表し、子ども向けの造形教室やワークショップも開催している。
みどころ
「ともだちって」
かぜがうつっても へいきだっていってくれるひと
いっしょに かえりたくなるひと
「ともだちなら」
いやがることを するのは よそう
「ひとりでは」
もてない おもいものも ふたりでなら もてる
つまらないことも ふたりでやれば おもしろい
ともだちってなんだろう・・・例えば子どもたちがそんな風に思っていたとしたら、こんなにも具体的にわかりやすく教えてくれる答えはないですよね。
谷川俊太郎さんの詩に、和田誠さんのほのぼのとした絵が子ども達の心にぐっと近づいてきます。
そこで、詩の内容は広がっていきます。
「どんなきもちかな」「けんか」「ともだちはともだち」
それぞれのテーマに続く詩はひとつひとつ、どれも相手の気持ちを想像することにつながります。ともだちはどんな気持ちになるんだろう、ともだちにこういう事をするのは良くないな、お父さんお母さんだってともだちみたいな時があるな。
こんな風に考えられるようになったら、想像する力は大きくなっていきます。
会った事のない子だってともだちになれるかもしれない。
その子たちが困っていたら、なにをしてあげられるんだろう。
難しいことはありません。だれだってひとりで生きていくことはできない、みんなともだちが必要なんだ、そういう大切なことは小さな子どもたちにだってきっと伝わるはずです。
「ともだちって すばらしい」
子どもから大人まで、年齢に関係なく読み続けていきたい一冊です。
出版社からの内容紹介
小学校のアップル先生のクラスに,特別ゲストとして招待されたジョージ.絵本をめくったり,ボールをくばったり,先生のお手伝いをしようと大はりきりです.ところが,絵の具をまぜあわせて遊んでいるうち,大変なことになってしまいます.子どもたちは,みんなで力を合わせて,おそうじをはじめます.
この書籍を作った人
ハンス・アウグスト・レイ(1898-1977)マーガレット・レイ(1906-1996)ハンスはドイツのハンブルクに生まれ、幼い頃から、絵を描くことと動物が大好きでした。マーガレットも同じ町の生まれ。ともにドイツ系ユダヤ人の家庭で、家族同士の交流もありました。ハンスは第一次大戦中、ドイツ軍の兵士として従軍。戦後は大学で哲学や医学、外国語を学びますが、1924年、深刻な経済不況のためブラジルのリオデジャネイロに渡り、親戚の会社で働きはじめます。 マーガレットは美術学校を卒業後、写真家になりますが、ヒトラーが政権を握ると、ドイツを去ってブラジルへ渡り、1935年にハンスと再会します。ふたりは広告代理店をはじめ、まもなく結婚。新婚旅行先のヨーロッパでパリが気に入り、そのまま住み着きます。そして、ある雑誌の載ったハンスのユーモラスなキリンの絵がきっかけで、最初の絵本『きりんのセシリーと9ひきのさるたち』が誕生します。ふたりは、そのなかに登場する知りたがりやのこざるを主人公にしたお話を作りはじめます。第二次世界大戦がはじまり、1940年6月、ついにナチス・ドイツ軍がフランスに侵攻してきたとき、ふたりはその絵本の原稿とわずかな荷物だけを持ってパリを脱出、4か月かけてアメリカのニューヨークへたどり着きます。おさるのジョージの最初の絵本が出版されたのはその翌年でした。以来、ハンスとマーガレットは共同で、ジョージやその他の楽しい絵本をつぎつぎと生みだしました。
この書籍を作った人
公共図書館勤務を経て、現在は児童書の研究、翻訳をしている。訳書に、『としょかんライオン』(岩崎書店)、『ないしょのおともだち』(ほるぷ出版)、『いっしょにおつかい』(岩波書店)、『いもうとガイドブック』(少年写真新聞社)、「ちいさなエリオット」シリーズ(マイクロマガジン社)など、多数。
出版社からの内容紹介
小さい人が最初に出会う絵本として、定評のあるシリーズです。
何気ない日常生活のスケッチの中に、子どもが感じ取ったドラマを伝えています。
この書籍を作った人
1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカはねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。夫人は著名な絵本作家であるヘレン・オクセンバリー。
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
出版社からの内容紹介
ようかいむらのちょっと不思議な妖怪学校に入学したたまにゃたちは、ちょっと不思議なうひひひ校長先生に出会います。校長先生は相手の思っていることがわかる妖怪です。たまにゃたちの学校生活はどうなるのでしょう…。
この書籍を作った人
大阪府堺市生まれ。魚座。大阪芸術大学デザイン学科卒業。(株)京田クリエーション入社。2001年、2003年、2006年、2011年ボローニャ国際絵本原画展入選。明治「マーブル チョコレート」キャラクターの「マーブルわんちゃん」、兵庫県西宮市観光キャラクター「みやたん」など、多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍している。その他の主な作品に、『怪談レストラン』シリーズ(童心社)の装丁・挿し絵、『おはなし・くろくま』シリーズ『わくわく・くろくま』シリーズ(ともにくもん出版)、エッセイ集『キャラクターデザインの仕事』(大日本図書)『うごくくるまえほん 』(ミキハウス)など。見た人を元気にする作品づくりがモットー。
文:竹原雅子 編集:木村春子