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- ためしよみ
絵本紹介
2024.04.03
「犬も歩けば棒に当たる」からはじまり、ことわざがどんどんつながって、物語が動き出す! 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『むげんことわざものがたり』です。ことわざ・慣用句が50個も登場するこの絵本、どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
犬もあるけば棒にあたる→棚からぼた餅→七転び八起き……言葉を聞いただけでは、つながりそうもないことわざなのに、絵を見ればちゃんとつながっている!?
それが、ひとつのおはなしの世界観の中で展開されていくのもまた驚き。多少まわりくどいところはご愛敬。
いくら「ことわざ絵本」だからといって、一見開きに3つも4つもことわざが登場すれば、読んでいても頭が混乱してしまいそうなもの。ところが、目で追っていくだけで、ことわざの響きや意味までがすんなりと理解でき、それどころか思わぬ展開の連続に笑ってしまうのです。
浮世絵のような雰囲気で見せてくれる絵、大胆な画面構成、コミカルな登場人物たちの動き。独自の世界が広がる大串ゆうじさんの作品の魅力満載、なんと充実した内容なのでしょう!
……これだけ説明しても、どんな絵本かわからない? 「ひゃくぶんは いっけんに しかず」です。今すぐ手に取って、ページをめくって確かめてみてくださいね。ことわざ・慣用句が50個掲載されています。
読み終えたあと、実感するのは?
むかしから伝わる物事の教訓や風刺、真理などを含んでうまれる「ことわざ」と、二つ以上のことばが組み合わさることで、とくべつな意味をあらわす「慣用句」。つまり、それぞれ単体の「ことわざ」や「慣用句」にもストーリーや教訓がたくさん含まれているわけです。それらが組み合わさっていけば、さぞかし重い物語になっていくかと思いきや、案外カラッとしていて、軽快でユーモラス。普遍的な雰囲気も漂っています。それは「ことわざ」と「慣用句」が日常から生まれてきているからでしょうか。この壮大かつ親しみやすい物語を読み終えたあと、誰もが実感するのはきっとこの一言でしょう……「れきしは くりかえす」!
この書籍を作った人
1976年生まれ。茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。卒業後は個展などで作品を発表をしながら雑誌、テレビ、広告、などのイラストレーションで活動。本書がはじめての絵本。おもな受賞に、グラフィックアートひとつぼ展入選(1999年、2002年、2005年)、ターナーアクリルアワード入選(2001年〜2005年)、第29回ザ・チョイス年度賞入賞(2012年)などがある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。