ディズニープリンセス じぶんもまわりもしあわせにする おやくそくブック(Gakken)
SNSで話題!すてきな大人になるために大切にしたい「おやくそく」を紹介する絵本。
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絵本紹介
2024.06.13
こどもべやに夜がきました。起きているのはいっちゃんだけ。いっちゃんはまっくろの夜にのみこまれないよう……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『こどもべやのよる』。4姉妹の中で育った出久根育さんの、大切な思い出の中から生まれたというこの絵本。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
こどもべやに夜がきました。まーちゃんもみっちゃんもよーちゃんも、すやすや夢の中。起きているのはいっちゃんだけ。いっちゃんは、まっくろにのみこまれないように、頭まですっぽり布団をかぶります。
「ねちゃ だめ ねちゃ だめ」
まっくろに気づかれないよう、じっと息をひそめるいっちゃんでしたが……。
<岩波の子どもの本>創刊70周年記念新刊3冊目として登場したのは、チェコ在住の絵本作家出久根育さんによる、「こどもべや」を舞台にした4姉妹のとっておきのお話。表題作「こどもべやのよる」のほか、なかなか仲良くなれなかった天使のおにんぎょうといっちゃんが空を飛ぶ「てんしちゃん」、2段ベッドの船に乗って4姉妹だけで海へと出発する「おとなはたちいりきんし」の3つが収録されています。
こわがりで想像力豊かないっちゃんにとって、夜はちょっぴり怖いけれど、どこか魅惑的。やさしく微笑むおつきさまは大好きだけれど、まっくらは苦手。みんなが仲良く遊んでいるお人形だけれど、いっちゃんだけはなんだかぎくしゃく。
それでも、4人で出かけた夜の海で泣きそうになった時に助けてくれたのはてんしちゃんで……。
おねえちゃんが2人に、妹が1人、4姉妹の3番目として育った出久根さん。子ども時代の大切な思い出から、このお話の発想が広がっていったのだそう。夜を背景にした幻想的な場面と、昼間の生き生きと動きまわる4姉妹の明るい表情。子ども時代に誰もが味わうどきどき、ときめき、わくわくがお話のすみずみにまで詰まっています。
憧れと懐かしさと
1つの部屋に2段ベッドがふたつ。まーちゃん、みっちゃん、いっちゃん、よーちゃんの4人姉妹、それにきじねこのエムちゃんとみけねこのおいちゃんも加わって。ぎゅっとしたところで泣いたり、笑ったり、怒ったり、冒険の準備まで。そんな様子を見ていると、うらやましくてたまらない気持ちになってきます。だって、とても楽しそうですもの。憧れと懐かしさを同時に抱かせるこの絵本。今回の主人公はいっちゃんですけれど、4姉妹それぞれ違う物語が広がっているはず。いつか、そちらものぞいてみたくなりますね。
この書籍を作った人
1969年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。『あめふらし』(パロル舎)で2003年BIB(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)のグランプリ、『マーシャと白い鳥』(偕成社)で2006年日本絵本賞大賞を受賞。その他、絵本に『十二の月たち』『おふとんのくにのこびとたち』(以上偕成社)『おふろ』(学習研究社)『山のタンタラばあさん』(小学館)『ペンキや』『ワニ』(理論社)『はるさんがきた』『アントリ・ベリーのながいたび』(鈴木出版)『もりのおとぶくろ』(のら書店)、読み物の挿絵に『わたしたちのぼうし』『ルチアさん』(以上フレーベル館)「グリム童話集 上・下」(岩波書店)など多数の作品がある。チェコ・プラハ在住。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。