かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)
これ、言える? 言えたらヒーロー! みんなで遊べる! 一瞬で噛んじゃうヘンテコ早口ことば!
- 笑える
- 盛り上がる
- ためしよみ
かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)
これ、言える? 言えたらヒーロー! みんなで遊べる! 一瞬で噛んじゃうヘンテコ早口ことば!
絵本紹介
2024.09.25
暗くて深い森の奥、闇の中からあらわれたのは……? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『くらくて ふかい もりの おく』。フランスの画家デルフィーヌ・ブルネによる、ユーモア溢れるおやすみ絵本。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
暗くて深い森の奥、いくつもの目がギラリとあいて、
ガチガチと牙がぶつかる音がする。
冒頭で、闇の中に白く浮かびあがるのは鋭い眼光と恐ろしくとがった牙のシルエット。さらに遠吠えまで聞こえてきて。なんだかすごい緊張感、これから何が起こるんだろうかとドキドキしていると……。
「ちょっと ちょっと! いいかげんにしなさいよ!」
飛んできたのは、オオカミのママ。どうやらここにいるのは、寝る時間になってもまだまだ寝られないオオカミの子どもたちのようです。「ぎゅっして!」「絵本読んで!」「歌、歌って!」、ママに次々とおねだりをする子どもたち。これは大変です。でも、ママが歌いはじめると、子どもたちの目はすぐにトロンと閉じていくのです。
緊迫の時間が訪れる!? ……と思って読んでみれば、なんとまあ可愛い親子のやりとりが展開されていくこのお話。あんなに怖そうだったシルエットも、気がつけばただただ愛おしい表情ばかりが並び、そこにいるのは毎日の寝かしつけに苦労しているだろうちょっぴり疲れ顔のママ。その表情に共感しながらも可笑しくてついつい笑ってしまいます。
「きらきらぼし」の挿入歌が読者の眠りを誘い、おやすみ絵本としての役割もバッチリ!最後のオチまでシャレの効いたフランス発の絵本です。
緩急がたまらない
見るからに怖そうな表紙の絵。さらに「ギラリ」「ガチガチ」など緊張感をあおるような響きの言葉。この雰囲気が子どもたちの好奇心をきゅっと引きつけてしまうのです。すると、急に登場するいつものママの叱り声に安堵し、そのまま大好きな「きらきらぼし」の歌を聞きながらトロンとしてしまう。子どもたちをあっという間に眠りの世界へ連れていく見事な緩急が魅力的なこの絵本。でも最後に油断しているとまた笑い声がきこえてきて……!? さあ、もう一回最初からね。
この書籍を作った人
1974年フランスのヴィエルゾンで、英語教師の母と建築家の父のもとに生まれる。ストラスブールの国立高等装飾美術学校でイラストレーションを学ぶ。マルセイユでワークショップについて学んだ後、ポスターなどの制作に携わる。現在は、絵本や子どもの本を作りながら、子どもたちとのワークショップも手がけている。
寝る前の儀式は「とくにはないけれど、毎晩、子どもを寝かせて、おやすみのキスをする。それからベッドに入って、長いことぼうっと考えたり、空想したり。そのあとで本を読んで、眠るの」。
この書籍を作った人
1970年埼玉県生まれ。上智大学文学部仏文科卒。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社勤務を経て、フランス語、英語を中心とした児童書翻訳家になる。絵本の文章や随筆も手がける。主な訳書に『トラのじゅうたんになりたかったトラ』(岩波書店)、『うんちっち』(あすなろ書房)など多数。文章を書いた作品に「日本の神話」シリーズ(岩崎書店)などがある。
寝る前の儀式は「その日あった“いいこと”を3つ思い出すこと」。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。