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人気作品・注目の新刊をご紹介!絵本ナビプラチナブック

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絵本紹介

2024.10.01

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その頬の色から伝わってくるのは…『うつくしいってなに?』【NEXTプラチナブック】

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2024年8月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

女の子が見ている窓の外に見えるのは、夕焼けに染まる空、青い海。そして……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『うつくしいってなに?』。詩人最果タヒさんと絵本作家荒井良二さんが紡ぐ、夢のような物語。どんな内容なのでしょう?

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

その頬の色から伝わってくるのは…『うつくしいってなに?』

よる ねむたい きみに

  • うつくしいってなに?

    みどころ

    夕焼けに染まる空、その下に広がる青い海。それらが窓から見ている女の子の瞳に映りこみ、頬を紅潮させる。やがて夜が後ろから回り込むようにやってきて、無限の星を輝かせながら、見慣れた家具やおもちゃ、ネコや好きな景色と一緒に、女の子を心地よい眠りの世界へと連れていく。

    「うつくしいって なに?」

絵本は問いかける。時間により刻々と移り変わっていく窓の外の景色。夕暮れ時にぴかぴかと現れる白い星。心が吸いこまれるような感覚。目をとじれば浮かんでくる大好きな明かり。そして、おやすみって言ってくれるすべてのもの……。

詩人最果タヒさんと絵本作家荒井良二さんが紡ぐ、夢のような物語。「ピンクいろのほほ」「かならずねむたくなる ほしぞら」「よるのしっぽ」……一つ一つの響きを耳にするだけでどこまでも情景が広がっていくような言葉。それに呼応しながら読者を無限の世界へと連れていってくれる緩やかで壮大な絵。二つの表現が溶け合って、まるで発光しているかのようなこの絵本。

「うつくしいって なに?」

もう一度問いかけながら、改めてページをめくってみる。それらを味わっている子の表情、あるいは自分の心に耳を当ててみれば、そこに答えが見つかるのかもしれない。

 

編集長のおすすめポイントは……

その瞳の輝きや頬の色から伝わってくるのは

冒頭に登場するのは、美しいと思う景色を見つめている女の子の表情。言葉を発するでもなく、驚くでもなく、ただまっすぐに前を見ている。けれど、その瞳の輝きや頬の色から微かに心の中の高揚が伝わってくる。ああ、なんて豊かな光景だろうと思う。彼女の心の中にはどんな宇宙が生まれ、どんな音が奏でられているのだろうと思う。気がつけばあっという間に過ぎ去っていってしまうであろう、子どもたちが体験する慎ましくもかけがえのない大切な時間。最果タヒさんと荒井良二さんのお二人がすくいとってくれるのです。

この書籍を作った人

最果 タヒ

最果 タヒ (さいはてたひ)

1986年生まれ。詩人。2006年、現代詩手帖賞を受賞。 07年、第一詩集『グッドモーニング』刊行。同作で中原中也賞を受賞。 15年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。他の著書に、詩集『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(映画化)『愛の縫い目はここ』『天国と、とてつもない暇』『恋人たちはせーので光る』、小説『星か獣になる季節』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、エッセイ集『きみの言い訳は最高の芸術』『もぐ∞』『「好き」の因数分解』『コンプレックス・プリズム』、清川あさみとの共著『千年後の百人一首』、絵本『ここは』(絵 及川賢治) などがある。2024年9月6日に発表された第32回萩原朔太郎賞では、詩集『恋と誤解された夕焼け』が受賞した。

最果タヒ 作品一覧

この書籍を作った人

荒井 良二

荒井 良二 (あらいりょうじ)

1956年山形県生まれ 日本大学芸術学部芸術学科卒業。 イラストレーションでは1986年玄光社主催の第4回チョイスに入選。1990年に処女作「MELODY」を発表し、絵本を作り始める。1991年に、世界的な絵本の新人賞である「キーツ賞」に『ユックリとジョジョニ』を日本代表として出展。1997年に『うそつきのつき』で第46回小学館児童出版文化賞を受賞、1999年に『なぞなぞのたび』でボローニャ国際児童図書展特別賞を受賞、『森の絵本』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。90年代を代表する絵本作家といわれる。そのほか 絵本の作品に『はじまりはじまり』(ブロンズ新社)『スースーとネルネル』(偕成社)『そのつもり』(講談社)『ルフランルフラン』(プチグラパブリッシング)などがある。2005年には、スウェーデンの児童少年文学賞である「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を、2006年に「スキマの国のポルタ」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。

荒井良二 作品一覧

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。

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