世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
おめんをめくると、かわいい動物たちが登場! あかちゃんから楽しめる読み聞かせで大人気の「おめんです」シリーズに、いよいよ4作目が登場しました。作者のいしかわこうじさんに、この絵本についてお話をうかがいました。
出版社からの内容紹介
つたんかーめんの おめんに ろぼっとの おめん。
おめんをとると……あれあれ! びっくりするしかけがあるよ。赤ちゃんから楽しめるしかけ絵本。
読み聞かせの場面や、ファーストブックとして大人気シリーズの第4弾!
この人にインタビューしました
1963年千葉県市川市生まれ。絵本作家。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。 大学在学中よりイラストレーターとして活動。広告や雑誌、キャラクターデザインなどで作品多数。 2000年頃から、紙で作った小さな犬「ペーパーわんこ」と世界を旅して撮影するプロジェクトを展開。 「世界を旅するペーパーわんこ」等、工作絵本を3冊出版。 2006年「どうぶついろいろかくれんぼ」出版を機に絵本作家となり、約60冊の絵本を出版。 ユニークな発想と、暖かな色彩の造形で、芸術性とポピュラリティを両立した絵本を数多く生み出している。 第9回講談社童画グランプリで大賞受賞。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展で入選。「たまごのえほん」が第44回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞。 「おめんです」が第1回積文館グループ絵本大賞。 「どうぶついろいろかくれんぼ」かたぬき絵本シリーズ(現在13作品)は、累計250万部を超えるロングセラー。 主な絵本に「どうぶついろいろかくれんぼ」「のりものいろいろかくれんぼ」「くだものいろいろかくれんぼ」 「どうぶつもようでかくれんぼ」「うみのいきものかくれんぼ」「むしいろいろかくれんぼ」 「ハロウィンのかくれんぼ」「クリスマスのかくれんぼ」「ふねくんのたび」「つみきくん」 「つみきくんとつみきちゃん」「パンダくんのおつかい」「あかちゃん にこにこ」 「あかちゃん はーい」「どうぶつくみたてパズル」「ペーパーわんこ絵本 コタロウ」(以上ポプラ社)、 「たまごのえほん」「はなのさくえほん」「りくののりものえほん」「そらののりものえほん」 「はたらくのりものえほん」「おはようのえほん」「おやすみのえほん」(以上童心社)、 「おめんです」「おめんです2」「まほうつかい」(以上偕成社)等があり、 フランス・台湾・中国・ベトナム・韓国・ロシアなど海外でも翻訳版が数多く出版されている。 読み聞かせ会等で活躍する、大型版絵本を出版多数。 講演会やワークショップも、国内各地・海外で精力的に行なっている。
2013年に発売以来大人気の絵本『おめんです』今回はじめてこのコーナーでいしかわさんにお話をうかがいます。そもそもこの企画はどのようにはじまったのですか?
僕は子どもの頃から、お祭りなどに出店しているおめん屋さんが大好きでした。鬼、お多福、ひょっとこなど和風なおめんもあれば、仮面ライダーや鉄腕アトムのおめんもある、カラフルなゴチャ混ぜ感が楽しかったですね。小学1年生の時に自分で作った鬼のおめんを、今も持っているんですよ。
僕が親になってからは、子どもにおめんを買ってあげて、一緒に遊んでいました。おめんをかぶると、強気になったり、かわいくなったりと、人格もちょっぴり変わっちゃうのが面白いですよね。おめんは、人間が簡単に変身できる、不思議な力を持っているんです。 ちなみに、僕の尊敬する絵本作家レオ・レオニさんは「仮面は人類最大の発明である」との言葉を残しています。僕も全く同感ですね。こうした僕の長きにわたるおめんへの興味から思いついたのが「おめんです」という絵本なのです。
毎回、登場する「おめん」を描くために、実際におめんの資料もたくさん集められているとうかがいました。このシリーズを作るための取材の背景をぜひ教えてください。
「おめんです」シリーズでは、手に取れそうなほどのリアルな質感のおめんを描きたいと考えました。その方が『おめんです』の楽しさを最大限に引き出せる!と思ったからです。それには実物の観察がかかせません。
いろんな国の博物館に行って、各地のおめんをたくさん観てきましたし、各地の民芸品店などで、鬼やお多福、狐など、手作りの本物のおめんをいろいろ集めてきました。秋田の男鹿にある「なまはげ館」では、館内で職人さんが手彫りで制作したおめんを購入することができて、とても嬉しかったです。
イタリアのポンペイの売店では、『おめんです2』に登場する太陽のおめんの原型になるテラコッタを見つけました。
手作りのおめんを実際に手にとると、ダイナミックな立体感、絵の具の盛り上がりや光沢、筆の勢いやかすれなど、職人さんの腕の冴えに驚かされます。こうした僕自身の感動をおめんの絵の中にこめ、自分ならではのデフォルメも加えながら、長い時間をかけて仕上げていきました。
「おめんです」シリーズが、お子さんだけでなくおとなの皆さんも一緒に楽しんでもらえているのは、こうした僕の「本気さ」が絵本の画面から伝わってくるからなのかもしれません。
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