絵本紹介
2024.12.19
「もう年末だなんて、信じられない」この時期思わず口をついてしまう、大人の会話では毎年恒例のようなセリフ。駆け足で進んでいく師走。みんなきっと、一年の終わりを感じる余裕もないくらい忙しなく、夢中で日々を過ごしているのでしょうね。そんな時、そばにある絵本がふと、季節や時間を思い出させてくれます。
今月の新刊は今の季節にぴったりな、そして来たる新しい年を感じるような本が顔を揃えました。 寒い日の締めはあったかいお風呂、バスボールを入れたら「おゆにんげん」が現れた? 『おふろ』は人気イラストレーターいちろうさんの絵本デビュー作です。年が明けたら見えてくる節分、鬼と福の神の入れ替わりというぶっ飛びの展開『あおくんふくちゃん』。著者のみやもとかずあきさんは還暦、今作で念願の絵本作家デビューを果たしたそうです。目上の人に会う機会が多いお正月。敬語の意味や使いかたをわかりやすく紹介する『どれだけご存知?敬語』は大人も改めて勉強になることがいろいろ!
忙しい日々の合間にちょっとひと休み、絵本を開いてパワーチャージ。年末年始を元気に楽しく駆け抜けられますように!
出版社からの内容紹介
ふしぎなバスボールで、ゆかいな「おゆにんげん」のくにへ!
「なかなか にぎやかなのを えらんだじゃないか」
“ふしぎや”のおばあさんから買った、ふしぎなバスボール。家にかえっておふろをわかし、体をしっかりとあらって、おゆにバスボールをいれると…なんと、ゆかいな「おゆにんげん」があらわれた!
おふろのじゃぐちにすいこまれたぼくがきがつくと、そこは「おゆにんげん」のくに。
おゆのうえを、ぼよんぼよんとはずんだり、
イルカになったおゆにんげんの背中にのっておよいだり、
おゆのひこうせんでそらを飛んだり、
おゆにんげんたちと大冒険をおもいっきり楽しみます。
雑誌の挿絵や挿画、漫画などで活躍中の、大注目のイラストレーター・いちろうさんの絵本デビュー作!
この書籍を作った人
千葉県我孫子市出身。子どもの本の編集者。ブロンズ新社勤務を経て、フリーランスとなる。ミリオンセラーの「だるまさん」シリーズ(かがくいひろし)他、数多くの絵本の編集を手がける。編集のかたわら、作家として絵本制作に挑戦。優しく耳にひびくやわらかな言葉と、ユーモラスな擬音語、リズミカルなテンポが特徴的な作風。本作で作家デビュー。1児の母。
この書籍を作った人
及川賢治と竹内繭子の二人組。1996年頃から活動を開始する。ポスターなどのイラストレーションのほか、絵本、漫画など、幅広く活動中。主な絵本に「C’est la Fete!ふたつのバースデーケーキ」(トリコロールブックス)、「ぶぅさんのブー」(福音館書店)「Doughnuts マイボー ゾウにのる」(PARCO出版)などがある。
この書籍を作った人
1919年高知県生まれ。東京高等工芸学校図案科卒業。高知新聞記者、三越宣伝部のグラフィックデザイナーなどを経て独立。漫画家として活動する。1973年最初の絵本『アンパンマン』(フレーベル館)を刊行。『アンパンマン』は人気が高まりアニメ化され現在も子ども達に大人気キャラクターとして広く知られている。また同時期に雑誌「詩とメルヘン」(サンリオ)を創刊し、30年間編集長を務めた。主な作品に絵本『やさしいライオン』『チリンのすず』(フレーベル館)、作詞に『手のひらを太陽に』『それいけ!アンパンマン』など。90年、勲四等瑞宝章受賞。95年、日本漫画家協会文部大臣賞受賞。日本漫画家協会理事長。
この書籍を作った人
1964年東京都生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。大学卒業後インドへ渡り、バナスタリ大学でテキスタイルを学ぶ。床屋さんと動物たちとのやりとりをユーモラスに描いた絵本『バルバルさん』(絵・西村敏雄 福音館書店)で絵本作家デビュー。東京都在住。
この書籍を作った人
1985年東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」出身。作品に『つばめこうくう』、『ぽっぽこうくう』、『かるがもゆうらんせん』(すべて佼成出版社)、『しんごうきょうだいのにちようび』(絵本塾出版)、『のりかえでんしゃ』『おでかけくるま』(ともに学研)がある。
出版社からの内容紹介
第44回講談社絵本新人賞受賞作。絵本作家を目指して30年、還暦にしてついに念願かなってデビューを果たしたみやもとかずあき氏による、節分コメディ絵本!
見てください。表紙では鬼と福の神がハイタッチをしています。表紙から楽しいことがはじまりそうな気がしませんか?
お人好しの鬼のあおくんとちゃっかり者の福の神のふくちゃんは友達同士。
ある日、ふくちゃんが「わたし おうちの なか ばっかりで つまらないの。
たまには こうたい してみない?」と言い出し始め…。
鬼と福の神が交代!? いったいどうなっちゃうの!?
交代の場面ではそうきたか! 度肝を抜かれる展開に大爆笑すること間違いなし。
あおくんとふくちゃんのテンポ良いかけあいが漫才コンビのように楽しい、
新感覚の「家族でみんなで笑える」節分絵本です!
読み聞かせ 3歳から
この書籍を作った人
大阪府堺市生まれ。魚座。大阪芸術大学デザイン学科卒業。(株)京田クリエーション入社。2001年、2003年、2006年、2011年ボローニャ国際絵本原画展入選。明治「マーブル チョコレート」キャラクターの「マーブルわんちゃん」、兵庫県西宮市観光キャラクター「みやたん」など、多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍している。その他の主な作品に、『怪談レストラン』シリーズ(童心社)の装丁・挿し絵、『おはなし・くろくま』シリーズ『わくわく・くろくま』シリーズ(ともにくもん出版)、エッセイ集『キャラクターデザインの仕事』(大日本図書)『うごくくるまえほん 』(ミキハウス)など。見た人を元気にする作品づくりがモットー。
この書籍を作った人
1929年アメリカに生まれ、西ドイツで育つ。シュツットガルト造形美術大学で学んだ後、1952年にアメリカへ戻る。グラフィック・デザイナー、アート・ディレクターとして活躍後、絵本作家に。1968年に絵本「1,2,3どうぶつえんへ」(偕成社刊)を発表、ボローニャグラフィック大賞を受賞し、以来絵本作家として活躍。世界的な人気絵本「はらぺこあおむし」「たんじょうびのふしぎなてがみ」(以上偕成社刊)などの傑作を生む。
この書籍を作った人
米国ウェスタンミシガン大学在学中、英米児童文学の授業で『Ira Sleeps Over』(『アイラのおとまり』)に出会う。子どものときにこの絵本を読んだクラスメートたちが、大人になってもアイラを愛してやまない様子を目の当たりにし、絵本の力をあらためて知る。帰国後は、海外の絵本・児童書の紹介、翻訳に力を注ぐ。『家出の日』(徳間書店)で産経児童書出版文化賞入賞。翻訳絵本に『グースにあった日』(福音館書店)、『うさぎのボロリンどーこだ』(ひさかたチャイルド)などがある。
文/竹原雅子
編集/木村春子