絵本紹介
2021.06.12
「ぽよーん」「ぽよぽよーん」。おやつが次々にトランポリンでスーパージャンプ! 着地は見事に決められるのでしょうか。 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信を持っておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『おやつトランポリン』。聞いて楽しい軽快な擬音と、濃密に描かれた美味しそうな食べ物たちが魅力のこの絵本、いったいどんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは?
絵本ナビでは、寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。
3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
つやっつやの美味しそうないちご。
いっちに、いっちに、走ってきたと思ったら、トランポリンで「ぽよーーん」と跳ねて……「すたっ!」
おみごと! きれいに着地を決めたのは、クリームたっぷりケーキの上。ショートケーキの完成です。
これは気持ちがいい。次にやってきたのは、チョコレート。ちょこちょこ、ぽよよーん、ぱりっと割れて「すぽっ!すぽっ!すぽっ!」さくらんぼは仲良くふたりでぽよよーん、ぷつんとかわれて、「ぽとん!」「たぷん!」次は……?
さてさて、いったい何が出来上がっているのでしょう。まずは音だけで想像してみてくださいね。
ああ。見れば、もうたまらない……。おいしいおやつがたくさん登場しています。ショートケーキにチョコレートパフェ。クリームソーダにもちもちお団子。そしてバターが飛び乗るのはもちろんあのおやつ。最後にはみんなでもう一回!
楽しい音にのせられて軽快に躍動するのは、小松壮太さんの描く、濃密なのに愛らしく、顔があるのにリアルなたべものたち。なんて魅力的なのでしょう。解放感と満足感、同時に味わえるこの絵本。親子で一緒に繰り返し楽しんでくださいね。
ひとつも無駄のない展開に
トランポリンとおやつ。組み合わせの最強さといったら! こんなに相性がいいなんて考えもつかなかったのに、見ればすぐに納得。私たちの大好きなあのデザートは、本当はどれも一回トランポリンを挟んで出来上がっているのではないかと思うほど。ひとつも無駄のない言葉と展開は、さすがの大塚健太さん。子どもたちの心を掴むテンポを知っています。
チョコがパリッとしていたり、もちがもっちもちしていたり、バターがてろんと溶けかかっていたり。お話に喜んでいる子どもの横で、大人は存分にとろけてしまっていていいですよ。
この書籍を作った人
埼玉県出身。絵本や紙芝居のおはなしのほかに、 脚本なども執筆している。絵本作品に「いちにちパンダ」 「よるだけパンダ」「カピバラせんせいのバスえんそく」(以上小学館)、 「おにゃけ」「でんにゃ」「虫にんじゃ」(以上パイインターナショナル)、 「フンころがさず」(角川書店)など。
この書籍を作った人
洋画家。1977年、東京都生まれ。静謐であたたかみのある画風で、静物画や風景画を中心に絵画作品を発表。洋画家として画壇で活躍する傍ら、近年は絵本作家としても活躍の場をひろげている。主な絵本の作品に、『やすみのじかん』(ブロンズ新社)、『文房具のやすみじかん』(文・土橋正)、こどものとも『トマトとなすときゅうりのなつ』(文・木村晃彦、ともに福音館書店)、『しんぶんのタバー』(文・萩原弓佳 PHP研究所)などがある。京都市在住。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。