うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)
お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!
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絵本紹介
2021.09.17
あの子も、この子もきっと心のなかでおしゃべりしている! 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『カラフルなひとりごと』。7人の子どもの特別な瞬間を描くこの絵本。いったいどんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
まちの片隅のあちこちで見かけるあの子も、この子も。
心の中では、きっと色々なおしゃべりをしているはず。
ちょっとのぞいてみると……?
夏の落ち葉を発見!
「やわらかいんだ〜」
この子の心の色は、若葉のみどり。
おやつを上手に食べられなくて、こぼしてばかり。
「どうしよう、みつかっちゃった」
彼女の心の中は、とまどいと不安な色。
あれあれ、お母さんに怒られて泣いていると思ったこの子の心は意外にも? お誕生日プレゼントをもらった女の子の心は? 歯が抜けた! 冷たくて気持ちいい〜。
周りからじゃわからない、あの子のこの子の心模様。ささやかな出来事だけれど、そこにあるのは「発見」や「喜び」そして「不安」や「ひみつ」。彼らだけの大切な特別の瞬間。
好きなおやつを食べるのは楽しいよね。怒られたら悲しいよね。プレゼントもらったら嬉しいよね。もしかしたら、それって全部大人が決めつけているだけかもしれない? 子どもたちの繊細な表情と意外な色の組み合わせを見ていると、気持ちってもっと複雑なものだということを、思い出させてくれるのです。
いつの間にか忘れてしまいそうな、小さな気持ちの数々を、丁寧に、そしてカラフルに描きだすのは種村有希子さん。コマ割りと線だけの描写の絵の組み合わせが新鮮!
今の自分の気持ちを色であらわすとしたら……? そんな事を考えるのって、とっても豊かな時間ですよね。読み終われば、どの子もみんな愛おしくなってしまうのです。
自分に似ている子はいるかな
例えば、一日のうちで一番好きな時間っていつだろう。嬉しいのはどんな時だろう。幼稚園にいるときは、どんな気持ち? お友達と遊んでいるときは? そんな風に一つ一つの出来事を思い出しながら、その時の気持ちも一緒に話すことができたなら。イメージする色まで共有することができたなら。こんなに楽しい親子の時間はないかもしれませんね。「そんなの無理だよ」と言っても大丈夫。絵本を通して自分に似ている子を探してみたり、一緒に想像してみるのだって楽しいのです。
この書籍を作った人
北海道生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。講談社絵本新人賞受賞。絵本に『きいのいえで』『ようちえんのおひめさま』(講談社)、『サンタクロースになるひ』(小学館)、『だれのおとしもの?』(PHP研究所)、『あのこのたからもの』(ブロンズ新社)、『まなちゃんはおおかみ』(偕成社)、『かくれんぼ』『ふぶきのみちは ふしぎのみち』(アリス館)など、挿絵の仕事に『きょう、おともだちができたの』(作・得田之久、童心社)、『うれしいぼんおどり』(作・すとうあさえ、ほるぷ出版)『カラフルなひとりごと』(ほるぷ出版)などがある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。