立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至・・・まではなんとなくわかっていたような気がしていたけれど・・・。実は案外知られていないのが、暦の上で、私のたちに季節の節目を知らせてくれる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。いろいろな理由があって、昔の人が暦と本来の季節のズレを調節するために考案された区分手法なんだそうです。この「二十四節気」、春だけでもなんと6つも節目があるのです。知ってましたか?
立春(2月4日頃) 雨水(2月19日頃) 啓蟄(3月6日頃) 春分(3月21日頃) 清明(4月5日頃) 穀雨(4月20日頃)
つまり、それぞれの四季には節目が6つあり、全部で24つ、1年を通して「二十四節気」あるのです。 この絵本では、とても丁寧にわかりやすく旧暦(太陰太陽暦)と新暦(太陽暦)の違いや歴史、そして「二十四節気」の成り立ちや意味、各地に伝わる風習や季節の行事なども交えながら解説してくれます。 昔の人々が「月」で一ヶ月を把握していたり、新月から満月になる日を1日としていたことから「月立ち」が語源となり「ついたち」という呼び方になったというお話から、「閏月」がどうしてできたか、8月7日に行われている宮城県仙台市の七夕祭りなど地域によっては一ヶ月ずれた旧暦を使用した季節行事が行われていることなど身近なのに知らないことばかり。
日本人ならば是非とも知っていたいなぁと思える季節や暦のことをこの絵本で学んでみませんか。徳島県在住のイラストレーター羽尻利門さんの描く日本人の心に響く美しくもあたたかい情景もとても魅力的です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
二十四節気とは、1年間の太陽の位置を24等分して(地球から見た太陽の通り道である黄道上の位置を、立春を0度とした角度で示します)、それぞれの区分点となる日に「立春」「雨水」「啓蟄」といった天候や自然の変化を表す名前をつけたものです。
季節の節目を知る目安になるもので、多くの季節行事がこれらを基準に行われています。「今日は啓蟄です」などと、天気予報にも登場するため、小学生でもよく耳にしますが、その意味や由来を知る人は、大人でも少なくなっています。 啓蟄(3月6日ころ)は「地面の中で冬眠していた虫たちが、あたたかさにさそわれて出てくるころ」という意味ですが、ここでいう虫はカエルやヘビのことです。昔の日本や中国では、カエルやヘビは虫の仲間と考えられていたからです。
本書では、二十四節気のしくみや意味、由来をわかりやすく紹介するとともに、その時期の風景、風物詩を、日本人の心の原風景ともいえる温かな絵で描いています。
天気予報で、よく耳にする二十四節気ですが、知らない言葉も多くて、目にした時に飛びつきました。
書かれた内容と現実感のギャップが、暦の違いであったり、気候変動によるものなのでしょうか。
本当はこんな季節なんだと想像すると、日本的な叙情性が心に芽生えます。
時に合わせて、季節を味わいたい知識絵本です。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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