国民的ヒーローの悟空。 スーパー如意棒を片手に「ちから」と「どきょう」なら誰にも負けないぞ! そんな人気者の悟空ですが、どうやら学校では友だちが一緒に遊んでくれず悩んでいるみたい。
「へんだなぁ、どうして みんな、ぼくとあそんでくれないんだろう?」
「だって、きみはちからがつよすぎるんだもの。」と体の大きいゾウのバンバン。 「あなたはどきょうがありすぎて、みんなのまえで、こわいことをへいきでやるでしょ」カエルのパーパーも逃げてしまいます。 オオカミのアーゴウはふるえて言います。「悟空が、如意棒を小さくしたり、大きくしたりすると、ほんとうにこわいよ!」
そんなつもりはないのに、みんながこわがってる。みんなは、ぼくのことが嫌いなんだ。 悟空は悲しくなって誰もいない月にいくのです。そこでヘイヘイという名前のウサギに出会います。悟空とヘイヘイはお互いが羨む大切なものを交換して、新しい自分になってそれぞれ学校へ向かうのですが・・・。 自分が身につけていた「ちから」「どきょう」「如意棒」を手放してみんなと同じ立場になった悟空。初めてみんなの気持ちに気づき始めます。昔の自分と同じように振舞うウサギのヘイヘイを客観的に見ることによって、悟空は自分がどんなふうにお友だちに見えていたのかを知ったのです。
作者は、中国で期待の絵本画家の馬 玉さんと著名な児童文学作家 向 華さん。 「ともだち」との関係を考えるきっかけを与えてくれる絵本。子ども達の成長をそっと後押ししてくれます。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
あまりに力がありすぎて、ともだちから敬遠されてしまった悟空は、ひとりになりたくて月の世界へ。ところがそこにはウサギのヘイヘイがすんでいて、悟空の「ちから」と「どきょう」と「如意棒」を、自分の「いい子」ととりかえようと、提案します。 おなじみの孫悟空を主人公に、「ともだちって?」を描く、中国発の創作絵本です。作者は、中国で今注目の新進気鋭の絵本画家と、評論にも定評のある著名な児童文学作家。上海国際児童ブックフェアでは、人気の孫悟空を主人公に据えた中国ならではの独自性と絵の芸術性が高く評価され、2013年CCBF中国上海国際童書展 <金風車>ベスト児童書賞“ベスト国際絵本賞”を受賞しました。 「ともだちづきあい」という万国共通のテーマを、仕掛けもある楽しい展開で読ませます。さて、悩める悟空が見つけたこたえは?
あまりに力がありすぎて、ともだちから敬遠されてしまう悟空。
強者の孤独を感じました。
悟空は、ともだちに好かれたくて、じぶんの個性をすべて手放してしまいます。
個性を失ってしまったら、じぶんじゃなくなってしまうことをこのお話は教えてくれます。
個性を受入れて、コントロールしたり、なにかを足すことで、素晴らしいものになること。
周りも偏見の目を向けるのではなく、真の姿を見極めることが大切だと感じました。 (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子10歳)
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