フランスから日本に転校してきたユキちゃん。転校初日、クラスのみんなに「なんか、フランスごしゃべって!!」と言われたり、「トレビア〜ンだいいちしょうがっこう」から来たと笑われて、すっかり心を閉ざしてしまいます。そんなとき、一人ユキちゃんのために怒ってくれたショウくんという男の子がいました。彼は、帰り道も、「一緒に帰ろう」と、ユキちゃんを雨の中、傘に入れてくれます。そして、大事な言葉を教えてくれるのです。 転校を経験した子はよく分かると思います。みんなから一斉に注目されて、興味津々にいろいろ言われてからかわれたり。転校のワクワクと不安ではちきれそうだった心は、ひょんなことで簡単にひしゃげてしまいます。クラスの子たちも悪気はないのに、自分は受け入れてもらえない、そう思ってしまうのです。そんな中、なぜショウくんはユキちゃんの気持ちを分かって、優しくできたのでしょう。
作者のくすのきしげのりさんの言葉を引用します。 「『優しい』ということの意味のひとつは、『優』の字のとおり、人の憂いや悲しみがわかるということ、さらにいえば共感することができるということでしょう。そして共感することができるということは、震災を経て転校してきたショウくんのように、自身の中にも憂いや悲しみの記憶や、優しさにふれた記憶があるからなのです。私は、子どもたちの中に憂いや悲しみをこえる力があることを、そして、そこからは、人の憂いや悲しみに共感することができる優しさが生まれることを信じたいと思います。」 ちょっと気が強いけれど素直なユキちゃんと、クラスの子みんなに「優しい」と言われるショウくん。この素敵な新しい「ともだち」の姿をいきいきとあたたかく描いているのは、「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」などの漫画家、こうの史代さん。くすのきしげのりさんとこうの史代さんの注目のコラボレーション絵本、この絵本を読んだ子どもたちに、「優しさ」へ一歩踏み出すきっかけがたくさん生まれますように。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
フランスの日本人学校から転校してきたユキちゃん。 新しい学校での最初の日、「フランス語、しゃべって!」「トレビア〜ン!」と、かってに盛り上がるクラスメイトになじめず、「だれともはなさない」と心にきめてしまいます。 「ユキちゃんって、なんかえらそうにしてる」・・・だれかがいいだしたそのとき、「みんな、そんなこというな!」と声をあげてくれた男の子がいました。 その子が帰り道、ユキちゃんに教えてくれたこととは? 『おこだでませんように』『メガネをかけたら』の絵本作家・くすのきしげのりと、『この世界の片隅に』の漫画家・こうの史代という注目のコラボレーションで、転校生のゆれる心を描きます。一歩を踏み出す大切さや、優しくできることの「カッコよさ」を感じる絵本です。
兄ちゃんの転校は2回とも進級の時でした。
これまで友達がいっぱいたのに、進級と同時に新しいところへ。
転勤族とはいえ、悪いなぁという気持ちとキリのいい時期の
転校だからいいかもって気持ちもありました。
おとなしい、自分から積極的に〜でないと思っていた兄ちゃんでしたが、
転校して3日めには、友達の家へ遊びに行ってました(^^;)
今いる学校は転校生がとっても多くて珍しくないというのも
幸いしたのだとも思います。
私も親の転勤で転校したことありますが、「転校生が珍しい」と
ユキちゃんのようになっちゃうんですよね〜。
少ない知識の中から、「これ知ってる!」
「○○があるとこでしょ?」「△△なのってホント?」って。
でもそれは「興味がある」ことの裏返し。
迎える側も、行く側も、ドキドキなのはおんなじなんですけどね。
だから、転校生も迎える側も「あ・そ・ぼ」ですねぇ〜♪ (わにぼうさん 40代・ママ 男の子11歳、男の子7歳)
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