「ぷ〜う」。 暗闇の中で響き渡る音。おまけに何だかにおうぞ! おいおい、おならをしたのはだれだ? 「へぇ こいたのは おめえか?」 「おらじゃねえだ。こいつだべ」 「なに いうだ。こんな まっくらん なかで にいちゃんたちは なにが わかるんだ?」 子鬼3兄弟が言い合います。するとまた・・・・「ぷ〜〜う」。 おまけに「へ〜っくしょん」「げ〜っ」くしゃみやゲップまで! 兄弟たちは「くしゃみやゲップはおらだけど、おならは違う」と主張します。
真っ暗な部屋の中で繰り広げられる、おならをめぐるミステリー。 こんなやり取り、きっと子どもたちにとっては身近な話題ですよね。 だって、やっぱりおならはちょっと恥ずかしい。 自分がやったなんて思われたくない。 だけど、今回のおなら事件の犯人は、そんなちっちゃな事なんて気にしない豪快なあの人だったようで・・・!?
声に出して読んで面白い、会話で進むこの絵本。 3兄弟の声を分担してみても楽しそうですよね。 作者は、ユニークな作品をたくさん生み出している作家、平田昌広さん。 そして、その会話劇を最大限に盛り上げてくれているのが版画家野村たかあきさん。 暗闇の中に浮かびあがる子鬼たちの表情、明るい部屋の中では一転して色鮮やかに描かれた鬼の一家。 どちらもとっても魅力的です。 さあ、何回でも読んでもらって「ぷぷぷっ、ぷ〜う」と笑っちゃってください!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「ぷ〜う」あれれ、なんだかにおうぞ! おならしたのだれだ? 暗闇のなかでの子鬼3兄弟のおならをめぐるミステリー。
掛け合いや、会話を特徴とする多くの絵本を生み出している作家、平田昌広の会話が楽しい! 鬼の版画家、野村たかあきが、力をこめてユーモラスに彫った子鬼たちが、ぷぷぷっと笑える!
「おならしたのだーれ?」は子どもたちにとって、身近な話題。 おならをしたことを言い出せなかったり、「お父さんのおならはくさーい」、おふろのなかでぷくぷくぷく…。家族や家庭のなかでの思い出として、誰しもひとつは思い出すのではないでしょうか?それが、もし鬼の兄弟のおうちの出来事だったら???と生まれたのがこのお話です。
読み聞かせ会のプログラムのなかでも、つかみはオッケー!な1冊になること請け合い。全て会話で構成されていますので、子鬼を3人で配役して数人で読んでもおもしろいという、新しい絵本の読み方もお試しいただきたい1冊です。
「へえ こいたのだれだ〜」「おらじゃねえ」の繰り返しに、高学年の読み聞かせでは、こういう「うんこ」「おなら」関係の本は、笑いをこらえてできるだけすまし顔で恥ずかしがりながら聞いてくれるのですが、思わず吹き出す子もいました。低学年は、恥じらいもなく大爆笑。最後の一言もおならを文字ってる?!「がんばっぺ〜」 うん。今日も一日頑張るぞ〜と前向きになる朝にオススメの本です。 (まつちやんさん 40代・その他の方 )
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