むかし。あやのもとに、一頭の子馬がやってきました。ふたりはいつも一緒に過ごしていたけれど、ある日突然、離ればなれに。あやは馬を探すことを決意します。すると夢の中で……。やえがしなおこによる本格創作民話。東北の村を舞台に、馬と少女のはかない愛の物語。物語全体が悲しみの雰囲気に包まれている中、一途に生きようとする主人公〈あや〉を、司修が幻想的にしかし力強く描き出す。
何とも不思議な絵本です。
絵といいお話といい、物語が錦に縫込まれたような幻想的な絵本です。
あやという少女も三郎という馬も、所在なく風景のひとつとして配置されていて、切なさが押し寄せてくるような気がしました。
この世ではかなわぬ夢を、錦の中で成し遂げたあやと三郎は、戦や親の仕打ちを乗り越えたのでしょうか?
感受性の高い思春期世代にとてもインパクトある絵本だと思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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