絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作「くまのアーネストおじさん」シリーズが待望の映画化! そしてその映画が素敵な絵本になりました。
地下にある、ねずみの村の孤児院で暮していたセレスティーヌ。 ある日、地上にある恐ろしいくまの世界から、ねずみにとって重要な「歯」を100本集めてくるように言われます。枕の下にぬけた歯を100本かくしているという小ぐまの部屋に忍びこみ、どうにか歯を1本つかみとるのですが、すぐにくまたちに気づかれてしまいます。あわてて逃げたセレスティーヌが、通りのゴミ箱へ姿を隠したまま眠っていると、そこへ、おなかをすかせた大きなくまアーネストが現れて、セレスティーヌを食べようとするのですが・・・。
大きな体をした音楽家のくまのおじさん。 小さくて賢いおしゃまなねずみの女の子。
出会うはずのないふたりがめぐりあったとき そこにかけがえのない愛と絆が生まれました。
恋人のように親子のように仲むつまじく暮すふたりの日々の生活が描かれた絵本シリーズ「くまのアーネストおじさん」。美しい卓越したデッサン力と優しい水彩画のタッチで表現されたこのシリーズは、絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作です。愛の深さ、他人に尽くす喜び、気どらない素朴な生活をシリーズを通して描きたかったというガブリエル・バンサン。姪子と共に生活した自らの実体験が、そのままアーネストとセレスティーヌの暮しのモチーフとして描かれています。丁寧に描かれた一冊一冊の小さなかけがえのない幸せは、とてもあたたかく心を潤してくれるのです。
この映画で、謎の多かったふたりの出会いの秘密が明らかになります。 ガブリエル・バンサンが亡くなってから15年の時を経て、バンサンの友人であるダニエル・ぺナックが彼女の世界観をそのまま受け継ぎ、大事に大切に書かれた映画の脚本は、このシリーズに新たな魅力を与えてくれました。映画は、『アナと雪の女王』『風立ちぬ』と共に第86回アカデミー賞長編アニメーション部門でノミネートされ、2012年カンヌ映画祭監督週間特別賞受賞、ニューヨーク国際児童映画祭グランプリ、セザール賞アニメーション賞など数々の賞を受賞しています。
映画、そしてこの絵本でふたりの強く結ばれた美しい絆が生まれるきっかけを、そして、そのふたりのその後の暮らしぶりをもう一度オリジナルのシリーズで楽しんでくださいね。 なによりも前向きで、ひたむきに相手を大切に思いやるふたりが愛おしくてたまりません。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
地上にすむくまと、地下にすむねずみは、敵対していました。 ある日、歯をぬすむために地上へやってっきたねずみのセレスティーヌは、腹ぺこのくま、アーネストと出会い……。 2012年カンヌ国際映画祭監督週間出品作品を絵本化しました。 故ガブリエル・バンサンが遺した「くまのアーネストおじさん」シリーズのはじまりの物語を、バンサンの世界観を大切にしながら紡いでいます。
くまのアーネストおじさんとねずみの女の子セレスティーヌの素敵な関係に他人に愛情をかけるのもまんざらではないなあと思いました。孤児院で育ったセレスティーヌが、体格も立派なくまのアーネストおじさんんになつき、たよりにして寄り添って生きていく姿に人を信じるっていいなあと羨ましく思いました。お互いの思いやりは、やっぱり見習いたいと思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
|