これは、すでに絶版になっている児童書なのですが、あえてここでレビューを書きたいと思います。
この本に最初に出会ったのは、小学校1年か2年生のころだったと思います。
このお話には、たぬきの生徒たちと、ポン先生がすごす、日常が描かれているのですが、
ちょうど、この生徒たちと自分が、同じ年頃だったので、とても親近感が沸きました。
図書館の棚から借りて読んだのですが、それからというもの、読んでは返し、返しては読み。
いったいどのぐらい読んだのでしょう。今でも、この本が、図書室の棚のどこにあったか、ありありと思い浮かびます。
作者の今井さんは、長年教師をお勤めになったそうですが、なんとなく、そのことが分かります。
たぬきの生徒たち(ひいては子供たち)の気持ちが本当によく現れているのです。
教師の書く本、ということで、おとなしめで、お利口さんな教育的指導のたっぷりつまった本、と考える方もいらっしゃいますが、この本は違います。
実にユニーク、実に革新的。そして、大人視点ではなく、子供から見た世界をあらわしているのです。
長年子供に寄り添ってこられた教師でなければ、こういった本は書くことは出来ないでしょう。
この本が欲しくて、探してみたのですが、絶版になって久しいらしく、手に入りませんでした。
でも、どうしてもどうしても読みたくなって、図書館の書庫から出していただきました。
今読んでも、十分面白い!!思わず夢中になって読んでしまいました。
面白いところをピックアップしようと思っても、どれもこれも面白い。あるところでは、親近感が沸き、あるところでは、思わず尊敬の念を禁じえません。
大変にユーモラスで、読み手を飽きさせることなく、一気に読み上げさせる本です。
読んだ後、やっぱりこの本、欲しいなあ…とため息をついてしまいました。
幼稚園の息子には、まだ字が多いし、難しいのですが、紙芝居があるようなので、ちょっと探してみようか、と思います。 (ルートビアさん 30代・ママ 男の子5歳)
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