昭和十年代、軍港として栄える横須賀市。海の見える『按針塚』が、近所のわんぱくたちのあそび場だ。めんこ、たこあげ、一銭飛行機、こままわし……、 こんなにいそがしいと、勉強なんてするひまがない! 夏休み、ついに少年たちは「人がのれる飛行機をつくる」という秘密の計画にとりかかった──。
知恵を出しあい、協力し、夢中になって遊ぶ……、そんなわんぱくたちの姿をファンタジーの名手・佐藤さとるが、自身の少年時代をもとに描いた、自伝的作品。(小学上級から)
昭和10年代の子どもたちの姿が生き生きと描かれていて、話の面白さに引き込まれてしまいました。
作者の自伝的作品とのことですが、詳しく書かれた当時の遊びには、戦後生まれの私にも懐かしさと哀愁を感じさせられました。
今の子どもたちには異次元の世界かも知れません。
子どもたちが力を合わせ作ったのが、人の乗れるグライダー。
結束力と創造力には、今の子どもたちに伝えたい感動が有りました。
とはいえ、戦前の話の悲しさ、最後に戦争で亡くなった友と生き残った作者という図式には、経験させたくない現実感が有りました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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