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土の中、ほそーいねっこがだんだん太くなって、にんじんに! むらさき色のにんじん、長いにんじん……いろんなにんじんがあるよ。
「いっぽんでもにんじん」という有名な子どもの歌があります。
作詞したのは前田利博さん(作曲は佐瀬寿一さん)、歌ったのはフォークシンガーのなぎらけんいちさんでした。
1975年に出て大ヒットした「およげ!たいやきくん」のB面曲だったそうです。
楽しい歌ですが、登場するにんじんを苦手とする子どもも多いようです。
この絵本のおしまいに、作者のいわさゆうこさんが「にんじんのはなし」というミニ解説を書いていますが、その中でもにんじんのにおいを「主張の強いにおい」と表現しています。
さらに「香りの強いセリ科のなかまですから、くせにある野菜」と説明しています。
一方で、にんじんが栄養価の高い野菜ということも書いていますから、この絵本を読んでにんじん好きの子どもが増えるといいですね。
絵本ではにんじんの成長が丁寧に描かれています。
まずは、特徴的なほそい芽から。その次にぎざぎざの葉っぱも出てきます。
にんじんは地中で大きくなりますから、その様子も描かれています。こういうあたり、絵本ならではの描き方といえます。
そして、収穫。まっすぐに大きくなったにんじんだけでなく、二股三股に分かれたにんじんもあります。
あるいはオレンジ色のものだけでなく、黄色いものやだいこんのように白いもの、あるいは紫のものといったカラーにんじんも、ちゃんと紹介されています。
収穫せずに畑に残したにんじんは、春になると花を咲かせます。
この絵本で、にんじんの一生がたどれるわけです。
こんな素敵なにんじん、やっぱり苦手? (夏の雨さん 60代・パパ )
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