丁稚のつねきちは、働き者の良い子です。 だけど困ったのは、言われたことを憶えるのがとっても苦手なこと。
今日も、旦那さんに、おとなりへの伝言を言いつけられました。 「わかりました。行ってきまぁぁぁぁぁぁす!」なんて調子よく出かけたはいいけれど、おとなりについたら、やっぱり用事が思い出せません。 つねきちは、おかしなことを言いだしました。 「わたしのおしりをつねってください。」 いつも、おしりをつねってもらうと忘れたことを思い出せる、というのです。
表紙に描かれた、画面いっぱいのおしりは、そういうわけだったのですね。 「おしりをつねってくれ」なんて言い出しただけでも笑ってしまうのに、ここからの展開ったらありません……! つねきちのおしりに振り回される大人たちが可笑しいやら、気の毒やら。 はてさて、つねきちは用事を思い出せるのでしょうか?
軽快なテンポで、生き生きと楽しい落語の世界を描き出すのは、噺家・桂文我さん。 リズミカルな会話のやりとりは声に出して読むだけで、噺家気分になれちゃいます。 そして北村裕花さんの描くつねきちのおしりの、まあるくぷりんとしてかわいいこと!
親子で読んでも、大勢で読んでも、大笑い間違いなしのおはなしです。 落語好きな大人の方には、子ども版「粗忽の使者」と言えば、ニヤリとするかもしれません。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
そうじ、おつかい、ごしゅじんさまのおともなど、いっしょうけんめいはたらく子ども、でっちさん。 でっちさんが活やくする落語が、たのしい絵本になりました。 でっちのつねきちは、とてもよい子です。 お店もきれいにそうじをしますし、おつかいもいやがりません。 でも、言われたことをおぼえるのが、とてもにがて。 今日も、だんなさんからおとなりに言づてをたのまれましたが、すっかりわすれてしまい……。
「そんなバカなことある!?」と言いたくなるものの、笑わずにはいられないとてもおもしろいお話でした。特に、幼稚園男児の息子には大ウケでした。幼稚園児にとっては「お尻」が出てくるだけでおもしろいのに、このお話はそこに輪をかけておもしろい内容になっていたと思います。 (さくらっこママさん 40代・ママ 女の子8歳、男の子6歳)
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