山田太一氏初の大人のための書き下ろし絵本 「このマルの中にはいっちゃダメ」。6歳の男の子は、自分の描いた円陣の中に他人が入ることを強く拒否した。作家であり脚本家の山田太一氏が、初めて挑んだ絵本の世界。自らの幼児体験をもとに、60年ほど前の古き良き下町の風景を綴った作品です。友の死を受け入れることができず、自分の世界、殻にとじこもる男の子に、不思議な少女が近づいていきます。そばには怖そうな大男がついています。この少女たちは、いったい誰なのでしょうか―。幼い男の子の心の中を山田太一氏がノスタルジックに書ききり、人気作家・黒井健氏がその心象風景を見事に描ききりました。
とても有名な脚本家・作家の山田さんの初絵本作品。黒井さんの絵が大好きなこともあり、興味津々でじっくり読ませていただきました。
映画でもノスタルジックな昭和の世界が繰り広げられていますが、この絵本も60年以上前の東京の路地が舞台で、チョークで丸を描いている少年が主人公です。まるでぬりえから抜け出たような、外国のお人形さんのような女の子が声を掛けてきます。そのやりとりと、男の子の心理描写が魅力で、怖そうな大男の存在も謎。
現実と想像の世界を行ったり来たり出来る、子どもの時代ならではの感覚なのかもしれません。 (しいら☆さん 40代・ママ 男の子14歳)
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