野原を駆けるおおかみ。 そして、おおかみに追われて必死で駆けるうま。
「おおかみはかける うまはかける かけに かける むちゅうでかける ちゅうをかける」
うまは追いつかれないように夢中で駆け…宙を駆ける!? 崖の上から飛び出したうまの足は空を切り…でもちゃんと崖の反対側に着地!
「うれしくて かける かけて かけて きの ねっこに あしを ひっかける」
「かける」という言葉の繰り返しが、くせになる呪文のように頭の中をぐるぐるめぐる、絵詞作家・内田麟太郎さんならではの絵本。 アニメーション作家であり、独特の絵の雰囲気に定評がある山村浩二さんが描く、動物たちのユーモラスな表情が楽しい! うまのあざやかな色、躍動感のある体つきに目を奪われます!
さて木のねっこに足をひっかけて、気の毒なことになったうまがどうしたかというと…、文字を書いたり、通りがかりの牛に助けてもらって医者にいったり、お礼に絵を描いてあげたり…。 文字も「かける」 腕も「かける」 椅子にも「かける」 絵も「かける」 …世の中にはこんなに「かける」があるのか!と驚きます。
崖からあきらめずに追ってきたおおかみも、最後にちゃんと登場して、壮大なオチの場面あり。 内田麟太郎さんと山村浩二さんのリズムが生き生きと組み合わさった楽しい絵本です。 ぜひ繰り返しお楽しみください!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
おおかみは 「駈けます」 追いかけられている馬も「駈けます」 「駈けに駈けて」 木の根っこに 足をひっ「掛け」てしまい 歯が 「欠け」ます
ナンセンスな 言葉遊びの 繰り返しがどんどん 大きな話になって・・・。
ゆかいな言葉遊びと、想像力をかき立てる絵で楽しむ ユーモア絵本
お二人が好きなので、読んでみました。逃げる馬と追いかけるおおかみ。文には、すべて「かける」がつかわれています。いろんな「かける」があるなあ、と興味深く読みました。日本語のおもしろさを感じられます。楽しい絵もよかったです。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
|