つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たち と再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。 シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。 草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。
サブタイトルの通り、守り人シリーズの外伝です。
『天と地の守り人』の後日談であり、バルサがジグロとの旅を思い出しながら進む物語でもあります。
タルシュ帝国との戦から一年半。
バルサは16才の頃にジグロとともに護衛を引き受けた旅芸人<サダン・タラム>と再会し、護衛を引き受けることになります。
16才の初々しいバルサ、最高の武人ジグロ、二人の思い出…外伝ならでは、というんでしょうか。
登場人物たちと一緒に振り返り、物語を慈しむことができます。
上橋さんの「あとがき」に書かれていますが、この物語は『闇の守り人』と一対になっているのかもしれません。
5年後、10年後にも読みたい、大事な一冊です。 (こはこはくさん 40代・ママ 男の子9歳)
|