お歌をうたうのが大好きなこぐまのアーリーは、ある日森の中で赤くてまるいものを見つけます。 これはいったいなんだろう? 何かを入れるためのものかな?
ぼうしを見たことがないアーリーは、おうちに持って帰って似た形のものを探します。 じょうろ、たらい、バケツ、つぼ、ひしゃく、おさら、かご……。 いれものはたくさんあるけれど、同じような入れものはありません。
赤くてまあるいもの、見つけた! 外を見たアーリーはおかあさんに教えてあげます。 赤くてまるくてきれいな夕日。 でも、遠くて手が届きません。
拾ってきたものは、やっぱりなんだかわからない。 まねっこしてみようかな? 床にまるまって、一生懸命ぼうしの形をまねしてみますが、やっぱり謎はとけません。
これは「ぼうし」というものだとお父さんから教えてもらったアーリーは、これが誰かのおとしものなのだと気づきます。 そして、アーリーはお父さんと一緒にぼうしをもとの場所まで返しにいくのです……。
はじめて見たもの、知ったものを、どうやって覚えていくのか。 はじめての「なんだろう?」にどうやって答えを見つけていくのか。 自分で答えを見つけようと試行錯誤するこぐまのアーリーと、そんなアーリーを優しく見守り、気持ちに寄り添うお父さんとお母さんの姿が、大切なことを教えてくれます。 森の中の木を揺らす風や、くまの毛の柔らかさが伝わってくるような、ぬくもりに満ちた絵もとても魅力的。家族で読みたい1冊です。
(絵本ナビ編集部)
こぐまのアーリーが森を歩いていると、あかくてまるい不思議なものを見つけました。 「これはいったいなんだろう」 アーリーはそうっと家に持ち帰り、似たものを探してみたり、真似したりしてみますが……。
"ぼうし"を見たことがなかったアーリーの「なんだろう」に おとうさんとおかあさんも寄り添います。 色鉛筆で丁寧に描かれたイラストに心が温まる作品です。
第34回日産童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞作品
「ぼうし」という物の存在を知らなかったこぐまのアーリーのお話です。
知らないと、こんなふうな使い方や考え方をするんだなーと面白さもありました。
子供が知らないことを親が大人が教える、という一般的で当たり前なことですが、それを改めて思い知らされる絵本でもありました。
教えるって、大事なんですよね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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